INI初のファンコンツアー『2024 INI FAN CON TOUR [FLIP THE CIRCLE]』が9月21日にスタート。11月3、4日の大阪公演まで約1カ月半で自身最多となる全国11都市を巡るが、その始まりの場所に選ばれたのは、約3年前の1stファンミーティングで初めてファンの前に立った神奈川・ぴあアリーナMM。思い出の地で行われた9月21、22、23日の神奈川公演のうち、ここでは9月23日の様子をレポートする。
会場に流れる「LOUD」のリズムに合わせ、ペンライトの光が揺れる超満員の客席。11人の登場が待ちきれないとばかりにMINI(INIのファンネーム)の掛け声が響くと、音楽のボリュームが上がり、いよいよ公演が幕を開けた。天井からぶら下がる赤い線に絡まりながらメンバーが現れ、どこかアンニュイなムードで「DILEMMA」を歌い上げていく。一人一人のクールな表情が大画面に映し出されると、会場はさらに大きな歓声に包まれた。続くメドレーでの「MORE」「Dramatic」「LEGIT」はステージのあちこちを使って数人ずつのダンスをつないで見せていき、終盤に11人全員が並んだ姿は圧巻の一言。大人数グループならではの演出と迫力に心を奪われる。その勢いのまま「FANFARE」に突入し、伸びやかで力強い歌声を会場中に響かせた。VCRを挟み、「Busterz」「CALL 119」でも観客を沸かせて最初のMCへ。
「皆さん久しぶりですね。会いたかったです」と木村柾哉が切り出し、自己紹介として「汗もしたたる良い~?」と呼びかけると、すかさずMINIが「おとこ~!」とレスポンス。一方、髙塚大夢は「楽しみにしてきてくれたんですよね。僕もめっちゃ楽しみにしてきたんで、みんなでイチャイチャしちゃいましょう!」と満面の笑みを見せ、続く西洸人も「イチャイチャは俺に任せろよ」と発言し大盛り上がり。佐野雄大は「INIのダークエンジェル担当、佐野雄大です! 今日はなんでダークエンジェルかというと……」と翼を描いた首筋のタトゥーシールをうれしそうに見せてくれたが、「汗でにじんでるよ」とメンバーに突っ込まれると「え、嘘やん!?」と大焦りし、本来の癒し系エンジェルの姿で会場を和ませた。
続いて、許豊凡がツアータイトルの「FLIP THE CIRCLE」を解説。「INIからMINIへはパフォーマンスで楽しませ、MINIからINIへは日々応援してくれているというループが円。この円(CIRCLE)をファンコンサートの会場でひっくり返す(FLIP)、すなわち今までとは違うパフォーマンスを見られるということです」と語り、このあとも続くサプライズに満ちたステージを予告した。
会場が横浜ということで中華街にちなみ、最初に思い浮かんだ中華料理をみんなで合わせられるか団結力を測るというプチゲームをすることに。「豆苗(炒め)って中華?」という尾崎匠海の質問から尾崎匠海と西洸人が豆苗を育てたことがあるという話になったり、松田迅が最近おいしい餃子の直売店を見つけたという話になったり。流れるままに次々とつないでいくライブ感あふれるトークもファンコンサートの醍醐味といえる。ゲームの結果は餃子、肉まん、回鍋肉、麻辣香鍋、青椒肉絲など見事にバラバラだったが、「ライブが終わる頃には一つになってるよね」と木村柾哉。一つになりやすいように声出しをしようということで、田島将吾が「皆さん、盛り上がっていますか~?」と呼びかけるとMINIは歓声で応えた。
「10 THINGS」「TELEVISION」はトロッコに乗って会場を一周し、よりファンの近くへ。藤牧京介は「MINIありがとう~!」と思いを叫び、メンバーそれぞれがサインボールを投げたり、目を合わせて手を振ったりしてMINIとの交流を楽しんだ。その後は木村柾哉が振付を担当した「Moment」、今回がステージ初披露となった「Whatever Happens」、デビューシングル収録の思い出の曲「Brighter」と続き、心を揺さぶっていく。
スペシャルなステージの数々で構成された今回のツアーだが、その中でも目玉の一つといえるのがファンコンのために制作されたオリジナル楽曲でのユニットステージだろう。明るく爽やかな太陽チーム「BREATH」、重厚で妖艶な月チーム「Howlin’」という2つに分かれてまさに太陽と月のように正反対の魅力を持ったステージを披露し、これまでにない新たな面を見せつけた。
記念すべきデビュー曲「Rocketeer」、出荷枚数ミリオンを突破した6thシングルのタイトル曲「LOUD」をパフォーマンスし会場を熱気で包んだあとは、INIのレギュラーラジオ番組『From INI』、通称“フロイニ”を再現したコーナーに突入。公演ごとにテーマを設けて会場でお便りを募集し、選ばれたお便りの投稿者とも直接トークを繰り広げた。この日のテーマは「これだけは譲れないこだわり」で、池﨑理人は「たけちー(後藤威尊)と朝活することがこだわり」、西洸人は「ちょっと遠いかなという距離でも家に帰って寝ること。ホテルだと若干気が張っちゃうから」と告白。田島将吾は「枕を使わずに5分横になってから枕に頭をのせて寝ること。起きたときもいったん枕をはずしてから起きる。何にいいかわかんないんだけど、なんかいいんだよね」と独特なこだわりを披露し、みんなを驚かせた。
「そろそろお時間ですので、ここで1曲」という後藤威尊のラジオ風のコメントで始まったのは「Dirty Shoes Swag」。曲中のメンバーのフリーダンスが見どころだが、まずは松田迅がウェーブで盛り上げると、藤牧京介が床に寝かせたペットボトルを回し、止まった先にいた西洸人、指名された木村柾哉もフリーダンスに応戦し会場を沸かせた。続くVCRもラジオを模していて、番組最後の曲として名前をふせて紹介されたのは「過去に一度しかパフォーマンスしたことのない曲」。高まる期待のなか始まったのは、なんと2022年の音楽番組で披露された少女時代の「MR.TAXI」のカバー。前々日、前日の公演では別の楽曲だったこともあり、本気のサプライズにどよめきと歓声が沸き起こり、メンバーも「びっくりしたでしょこれ~?」(松田迅)、「これはマジでマジで誰も予想してなかったでしょ? MINIの皆さんを喜ばせるために準備しました!」(池﨑理人)と笑顔を見せた。
激しいダンスで靴が壊れてしまった後藤威尊がいったん舞台袖へ。その間、話題は2022年に放送されたINI初の冠バラエティー『INIの推しごとです!』にゲストで登場した、世界的パフォーマーの蛯名健一さんの神技「エビケンゾンビ」の話となった。立った状態から手を使わずに上体を後ろに倒して仰向けになり、さらに体幹だけで起き上がるという難易度の高い技だが、当時は木村柾哉が成功させたことからこの場所でもチャレンジすることに。まずは「どんな感じやったっけ?」と言いながら木村柾哉が挑むも失敗。池﨑理人も仰向けの状態から挑戦したが靴がすべって起き上がれず、藤牧京介に「エビケンさん! やってもらってもいいですか?」と振られた尾崎匠海も「うわぁ~!」という叫び声を残してチャレンジは終了した。それでもまだ少し時間があるということで、「隠し芸大会する?」と池﨑理人が提案したタイミングで後藤威尊がステージに復帰。「もうやめましょうよ! 隠し芸大会、もったいない!」と『ONEPIECE』に登場するキャラクター、コビーの真似をして笑わせ、会場全体とのコール&レスポンスで盛り上げた。ここで残り2曲ということで尾崎匠海が「がんばるぞ!」と気合いを入れ、「Walkie Talkie」「BOMBARDA」で熱狂の渦のなか本編は終了した。
アンコールは再びトロッコに乗り、愛らしさ全開の「KILLING PART」「Yummy!!」でMINIのもとへ。許豊凡がカメラを持ちメンバーや周囲を撮影する様子も。それぞれ投げキッスをしたりハートをおくったりと、残り少ない公演時間を惜しむようにMINIへの愛を全力で伝えていた。客席をバックにした記念撮影では器を手に持つような“チャーハンポーズ”で思い出を残し、最後の挨拶を述べる時間に。個性豊かなコメントの数々を抜粋してお届けする。
後藤威尊
MINIがどうやって喜んでくれるかなってたくさん考えて意見を出し合ったMINIのための コンサートなので、本当に喜んでくれたのならよかったです。僕も今日楽しみすぎてさすがに体が疲れちゃったんで、12時に一緒に寝よっか。今日12時、約束ね。ありがとうございました!
髙塚大夢
今日は皆さん楽しみに来てくれて本当にありがとうございました。上のほうまで届きましたか? 今日MCでね、昔の話をみんなで懐かしいって言って話してるのが楽しかったなと思って。最近ありがたいことに忙しい生活で、それもうれしいけど、振り返るということをあまりしてなかったなって。それをみんなで共有できたのがすごく幸せでした。これからもたくさん今までと同じように思い出を作っていきましょうね。
佐野雄大
なんとか首のエンジェルは最後まで残ることができました。途中、メイクさんがもう1回貼ってくれて生き延びたのでめっちゃ嬉しくて、今日終わったらSNSに上げようかなって思うんで、よかったら見てください。(何枚上げるの?とメンバーに聞かれて)20枚上げます。今日も一日みんなと楽しく過ごせてめっちゃうれしかったです。次また会うときまでみんな元気でいてください。今日は一日ありがとうございました。
池﨑理人
今日はありがとうございました。感情のジェットコースターでみんな疲れたでしょう。でもまだ全然遊び足りないからさ、今日はもうね、朝までアフターパーティーしようか(笑)。とにかく楽しかったです。大好きです。またね。
尾崎匠海
ライブね、もっとやりたいですよね。寂しいですね。ライブをもっとやって、もっとコミュニケーションを取って、つらいこととかいろんなことを忘れてほしいんですよ。そのために僕たちも頑張るので、また何かあったらここに来たりとか、みんながそれぞれの推しのSNSとか写真を見て頑張っていきましょう。皆さん、ありがとうございました!
田島将吾
ありがとうございました。めちゃめちゃ楽しかったし、みんなに会えて本当にうれしいです。これは本当の気持ちです。昨日も一昨日も終わってからおいしいものを食べて、すごくパワフルに3日間を終えられて。今日何食べようかなって思ってるんですけど、何がいいですかね?(チャーハンとメンバーに言われて)よく覚えてるね。小学生のときに告白されて、「チャーハンのほうが好きだからごめんなさい」って断ったのよ。今日チャーハン食べます、本当に。皆さんまた会いましょう。元気でいてくださいね。約束です。
木村柾哉
今日は祝日なのに来てくれてありがとうございました。大事な祝日を一緒に過ごせて本当に楽しかったです。皆さんは楽しかったですか? (歓声を聞いて)いえーい! 右向いて、左向いて、上向いて、柾哉見て!(笑) ありがとうございます、本当に。3年越しにこうやって戻ってこれてめちゃくちゃうれしいし、3年前とまったく違う感覚で立ててうれしいなと思います。あのときから知ってくれている方も途中から知ってくれている方も、皆さん本当に大好きです。これからもずっとMINIでいてください。
西 洸人
本当に楽しかったです。(感極まって泣いている人がいたという話から)自分たちのために涙を流してくれる人がいるっていうのは本当にどれだけ幸せ者なんだろうと思いました。僕たちもいっぱい愛で返していきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。一回、12時に威尊と寝るんだっけ? そこからアフターパーティーやるんだっけ。全然、そのあと俺んち来てもらっていいよ。(会場からキャー!という歓声)うっそぴょーん!(笑) ありがとうございました!
許 豊凡
皆さんありがとうございました。今日すごく楽しかったです。今回のツアーは今日が最初で最後っていう方も多いかもしれないし、そもそも誰かのぶんまで見に来てくれているのかもしれないですけど、そういう寂しい話をしたいわけじゃなくて。僕たち今日、縁があってここに集まって、こうやってINIとMINIの素敵な円をつくっているわけで。またすぐ会えると思いますので、そのときまた笑顔で会いましょう。元気でいてください。
松田 迅
MINI~!(会場も迅~!とレスポンス) サンキュー! 3日間ありがとうございました。ほんとにすごく楽しかったですし、準備段階でもすごくワクワクしてました。威尊も言ってくれたんですけど、めちゃくちゃミーティングしたりね。このツアーのことを考えて準備してきました。楽しめましたか? (拍手を聞いて)はい、よかったです。明日は『踊る!さんま御殿!!』に出演しますのでぜひチェックしてください。僕も見ますので一緒に見ましょう。分量が気になりますけど(笑)、がんばってしゃべったので楽しみにしていてください。
藤牧京介
日頃、生活してたらね、皆さんやっぱりめちゃくちゃウザいこともあるじゃないですか。腹立つこととかね、あると思うんですけれども、やっぱり俺にとってこのライブっていう時間がそれを全部忘れさせてくれる最高の幸せな時間です。皆さん、本当に改めてありがとうございます。そして皆さんも日頃からたくさん頑張っていて大変なことがあって疲れていると思うので、ここでみんなに、そして自分に「お疲れさま」って言ってください。皆さん準備はいいですか。せーの、(会場全体で声を合わせて)おつかれー! ありがとうございました!
ラストはステージ初披露の「T-Shirt」。“僕と君はPerfect pair”という歌詞はまるでINIとMINIのことを歌っているようで、大きな多幸感に包まれながら神奈川公演は幕を閉じた。直後には11月に鹿児島、沖縄でアフターパーティーを開催することも発表。全国各地のMINIと縁をつなぎ、多彩なステージで愛を届けていく。
2024 INI FAN-CON TOUR [FLIP THE CIRCLE]
◆神奈川公演:ぴあアリーナMM
2024年9月21日(土)開場16:30/開演18:00
2024年9月22日(日)開場16:30/開演18:00
2024年9月23日(月・祝)開場15:30/開演17:00
◆愛知公演:名古屋国際会議場センチュリーホール
2024年9月30日(月)開場17:30/開演18:30
2024年10月1日(火)開場17:00/開演18:00
◆岡山公演:岡山芸術創造劇場ハレノワ大劇場
2024年10月4日(金・祝)開場17:30/開演18:30
2024年10月5日(土)開場17:00/開演18:00
◆愛媛公演:松山市民会館大ホール
2024年10月7日(月)開場17:30/開演18:30
2024年10月8日(火)開場17:00/開演18:00
◆高知公演:高知県立県民文化ホールオレンジホール
2024年10月9日(水)開場17:30/開演18:30
◆長野公演:ホクト文化ホール(長野県県民文化会館)
2024年10月11日(金)開場17:30/開演18:30
2024年10月12日(土)開場17:00/開演18:00
◆福岡公演:北九州ソレイユホール
2024年10月15日(火)開場17:30/開演18:30
2024年10月16日(水)開場17:00/開演18:00
◆熊本公演:熊本城ホールメインホール
2024年10月17日(木)開場17:30/開演18:30
◆宮城公演:仙台サンプラザホール
2024年10月21日(月)開場17:30/開演18:30
2024年10月22日(火)開場17:00/開演18:00
◆埼玉公演:大宮ソニックシティ大ホール
2024年10月23日(水)開場17:30/開演18:30
◆大阪公演:万博記念公園もみじ川芝生広場
2024年11月3日(日)開場13:00/開演15:00
2024年11月4日(月)開場13:00/開演15:00
2024INI FAN-CON TOUR [FLIP THE CIRCLE:After Party]
◆鹿児島公演:川商ホール第一
2024年11月18日(土)開場17:00/開演18:00
◆沖縄公演:ミュージックタウン音市場
2024年11月21日(木)開場17:00/開演18:00
2024年11月22日(金)開場17:00/開演18:00
https://ini-official.com/feature/flipthecircle
Photograph_©LAPONE Entertainment Text_Rina Tsuchida(omo!)