3月20日に1stシングル「ゆらゆら -運命の花-」で日本デビューを果たしたZEROBASEONE。3月23・24日にはKアリーナ横浜でファンコンサート「2024 ZEROBASEONE FAN-CON IN JAPAN」を開催し、5.3万人を動員。超満員の会場は終始熱気に包まれ、K-POP第5世代の筆頭を走る彼らの勢いを見せつけた。最終公演となった24日の夜公演をレポートする。
オープニングのナレーションが流れたあと暗転し、薄い幕の中で踊るメンバーの影が映し出されると期待は最高潮に。幕が落ちて9人の姿が露わになり、大歓声のなか『In Bloom(Japanese ver.)』で公演はスタートした。大画面にメンバーの顔が映し出されるたび会場が揺れんばかりの歓声が上がり、その勢いのまま『Take My Hand』へ。次々とフォーメンションが変わる美しいダンスと艶やかな表情で、見る者を惹きつけていく。
SUNG HAN BIN
KIM JI WOONG
ZHANG HAO
SEOK MATTHEW
KIM TAE RAE
RICKY
KIM GYU VIN
PARK GUN WOOK
HAN YU JIN
準備のためメンバーは一度舞台袖へはけたが、司会の古家正亨さんとともにZEROSE(ファンネーム)が『ZEROBASEONE~!』と呼びかけると、手を振りながらニコニコと再登場。先ほどのスタイリッシュなパフォーマンスとのギャップに心を射抜かれる。挨拶の合間にもキム・ジウンから促されたハン・ユジンが「ヌナ、サランヘヨ~♡(お姉ちゃん、愛してる)」という決めゼリフで会場を沸かせたり、反対にキム・ジウンが自身の愛嬌フレーズ「アイッ、チャバッタ!」を日本語にして「あ、つかまえた!」と言いながら手を叩いたりと、かわいらしさ全開。これまでの公演を振り返って記憶に残っていることを尋ねられると、ジャン・ハオは「昨日の公演でステージの後ろで待っているときに、皆さんが『ゆらゆら -運命の花-』を大合唱してくれているのが聴こえたこと」とうれしそうに回答。続いて「(アンコールの前に)皆さんが僕たちのことを待っている間、モニターに客席の様子が映りますよね。僕たちもステージの袖でそれを写真に撮っていました」と明かすと、客席からはどよめきが起こった。
ソン・ハンビンが「メンバーみんな、ファンコンサートの日を指折り数えて待ちながら一生懸命練習してきたんです。もう最終公演だなんて信じられないくらいとても名残惜しいです。ZEROSEの皆さん、最後まで走りぬく準備はできていますか~?」と呼びかけ、『CRUSH(Japanese ver.)』を披露。パワフルなパフォーマンスに会場の熱はさらに上がっていく。メンバーそれぞれが夢や信念を語るVCRを挟み、『New Kidz on the Block』のあとはゲームコーナーへと続いた。
ゲームは3チームに分かれ、さまざまなミッションに挑戦して巨大すごろくのコマを進めていくというもの。チーム名も自分たちで決め、ソン・ハンビン、リッキー、パク・ゴヌクの「ぐでたま」チーム、ジャン・ハオ、キム・ギュビン、ハン・ユジンの「英雄」チーム、キム・ジウン、ソク・マシュー、キム・テレの「もちもち」チームが対決することとなった。チーム分けは抽選器を使ってボールの色で決めたが、この途中にボールが出なくなり進行が止まってしまうハプニングも。しかしパク・ゴヌクの「むしろいいですね。皆さんと一緒にいる時間が増えたから」という一言で、メンバーが次々と客席やカメラに向かってハートを送ったり手を振ったりと、ファンにとってはうれしい時間に。1秒でも長くZEROSEと交流したいというメンバーの思いが伝わってくる一幕だった。
まずはぐでたまチームが「60秒以内に2人が長い箸で1人にグミを食べさせる」というミッションに挑戦。ソン・ハンビンがセンターステージに座り、パク・ゴヌクとリッキーが運んでくるグミをまるでひな鳥のように口に入れると、あまりのかわいさに会場からは悲鳴のような歓声が響いた。英雄チームは「ZEROSEのためのプレゼントタイム」として、箱の中のサインボールを60秒以内にキャノン砲やラケットで配るミッションに挑戦。最後はほかのメンバーも参加し、無事にすべてのボールを配り切った。
2週目のぐでたまチームのミッションは「ホイッスルを口にくわえ、くすぐりにできるだけ長く耐える」というもの。羽根を渡されたほかのメンバーはノリノリで3人をくすぐったり、耳に息をかけたり。24秒の時点でソン・ハンビンが耐えきれずホイッスルを鳴らし、ミッション終了となった。もちもちチームのミッションは「3人で腕立て伏せを30回する」というものだったが、配分は自由ということでソク・マシューが一人で腕立て伏せをすることに。ムキムキの二の腕を見せながら軽々と成功し、客席からは感嘆の歓声が上がった。英雄チームは「20秒以内に早口言葉リレーをする」というお題で、「隣の客はよく柿食う客だ」にチャレンジ。3人ともすらすらと言い、こちらもミッション成功となった。
最後はぐでたまチームが『BOYS PLANET』の楽曲のランダムダンスに挑み、『En Garde』を完璧にパフォーマンス。全員で『Hot Summer』まで披露し、会場は大歓声に包まれた。優勝したのはぐでたまチームで、リッキーは勝利を祝うかのようにQUEENの『We Are The Champions』を歌い客席を沸かせていた。さらにソン・ハンビンが「ZEROSEも名残惜しそうですよ?」と切り出し、全員で『Over Me』の一節を踊り、大盛り上がりのゲームコーナーを締めくくった。
一度退場したあと、サプライズで客席を練り歩きながら『MELTING POINT』『Kidz Zone』の2曲を歌唱。ZEROSEと至近距離で交流したあとは、Official髭男dismの『I LOVE…』を見事な歌唱力でカバー。この曲の歌詞がZEROSEに会えたZEROBASEONEの気持ちを表しているように感じて選んだそうで、言葉の一つ一つを丁寧に、情感たっぷりに歌い上げる彼らの姿からZEROSEを大切に思う心が伝わってくる。本編最後は日本デビュー曲の『ゆらゆら -運命の花-』。ZEROSEの掛け声も大きく響きわたり、一体感のなか本編が終了した。
アンコールは『Here I Am』『Jelly Pop』を披露し、最後の挨拶へ。キム・ギュビンは「本当にありがとうございます。今日という日を忘れません。愛しています」と語り、キム・ジウンは「僕は少しだけ聴いていただきたい歌があります」とスキマスイッチの「奏」をアカペラで歌い、ZEROSEへの思いをメロディーにのせて伝えた。
ソク・マシューは「僕たちデビューして1年になるんですけど、僕たちが夢を叶えられたのは本当に皆さんのおかげです。本当にありがとうございます」と感謝を述べ、「改めて思ったんですけど、僕たちがこうしてアイドルになれたのは皆さんのおかげです。皆さん、本当に心から愛しています。これからもっと一生懸命頑張ります。ZEROSE、一生、約束!」と指切り。
ハン・ユジンは「ZEROSEの皆さん、本当に本当に幸せです! 韓国でファンコンサートを初めて開催し、こうして日本で2回目のファンコンサートを開催したんですけど、本当にうれしく思っています。日本で3回もファンコンサートを行うことができて、ZEROSEの皆さんにお会いすることができて本当にうれしいです」と喜びをあらわにし、ジャン・ハオは「皆さん、ありがとうございました。この瞬間は絶対に一生忘れられないと思います。これまでたくさん応援してくださって本当に幸せでした。僕たち必ず頻繁にお会いしましょう。もっともっと一生懸命練習して、もっと素敵なステージをお見せしていきたいと思います。大好き~!」と再会を約束した。
ソン・ハンビンは「ZEROSEの皆さ~ん! これからも一緒にいてくれますよね? ZEROSEの皆さんのおかげでこんなに大きなステージに立つことができました。メンバーのみんなも感動に大きく包まれています。僕たちの目が輝けるのは、ZEROSEの皆さんのおかげです。これからも頑張りますので、楽しみにしていてください! ZEROSEの皆さんのことが大好きで~す!」と大きな声で伝え、キム・テレは「ZEROSEの皆さんと一緒で本当に幸せでした。ありがとうございます」と笑顔で述べた。
リッキーは「この日本デビューと日本での活動、日本のファンコンサートは本当に意味のあることです。一生記憶に残るだろうと思います」と切り出し、「本当に皆さんのおかげで楽しむことができました。皆さんも楽しんで、エンジョイできていたらうれしいです。本当に大好き」と率直にコメント。
最後にパク・ゴヌクが「今日のこの思い出が皆さんの力になりますように。僕たちZEROBASEONEは、何十回、何百回、いつもZEROSEの皆さんのために歌います。ありがとうございます」と日本語で語りかけた。
アンコールラストは『Our Season』で、感極まったジャン・ハオが手で顔を覆う場面も。ほかのメンバーも目を潤ませながら、愛おしそうに会場全体を見渡していたのが印象的だった。歌い終わったあとは記念撮影をし、その後もステージの端まで行って「ZEROSE、サランへ~!」とファンへの愛を叫び続ける9人。「またすぐ会いましょう!」「僕たち、またすぐ戻ってくるから待っててね!」「また会うことを約束しよう!」と近い将来の再会を誓い、記念すべき日本初のファンコンサートは幕を閉じた。
上山陽介 (C)WAKEONE / LAPONE Entertainment
Text_Rina Tsuchida(omo!) Composition_Noriko Hata