NCT 127にとって2度目のドームツアーである『NCT 127 3RD TOUR ‘NEO CITY : THE UNITY’』がついに終幕。1月7、8日の愛知・バンテリンドーム ナゴヤを皮切りに、2月10、11日の大阪・京セラドーム大阪、3月9、10日の東京ドームの全6回公演を行い、シズニ(NCTのファンの名称)たちを熱狂させた。その最終日の模様をレポートします。
NCTを象徴するネオングリーンで東京ドームが染まる中、メンバーのシルエットが見えただけで会場は爆発的な反応を見せる。そんな中、まずは『Punch』でスタート。広いステージに続々花火が打ち上がり、NCT127のパフォーマンスにも気合が感じられた。そしてそんな熱気に負けないほどのシズニたちの熱! まさに東京ドームにふさわしい幕開けとなった。さらに『Superhuman』、『Ay-Yo』と立て続けにハードなダンスで魅了すると、続いては一転してメロウなメロディにたっぷりの愛が甘く表現された『Crash Landing』、サクソフォンの旋律から始まるジャジーでスペーシーな『Space』で余裕を見せる。さらに『Time Lapse」、『Skyscraper』まで息つく間もなく駆け抜けて、NCT127が築き上げてきたパフォーマンスとボーカルが持つ力を見せつけた。
ジェヒョン、ユウタが『You say!』とシズニに呼びかけ、テヨンが『And you say!』とシャウトして始まった『Parade』はマーク、テヨン、ジェヒョンのラップに続いてジョンウ、ドヨン、ヘチャンとボーカルが重なる、ラップとボーカルを高いレベルで備えたNCT 127 ならではのステージ。『Yacht』ではメンバーが自由にステージを歩きながら歌い、サービス精神たっぷりに会場のシズニを見つめ、手を振っていた。テヨンとユウタが肩を組みながら歩いたり、最後にはメインステージに集まり、ジャニーの「みなさん一緒に歌って!」の声で会場も大合唱。かと思えば続く『Je Ne Sais Quoi』ではダウナーな雰囲気で始まった曲が次第にエンジンがかかるように熱を帯びていき、最後にはドヨンとヘチャンのハイなアレンジが印象的なハーモニーへと収束されていく。
会場のペンライトが真っ赤に染まり、ステージのスクリーンが真っ赤な炎で燃え盛る中、2大の消防車に乗って現れたNCT127が歌うのはもちろん『Fire Truck』。会場に火花が続々打ち上がる中、メンバーが花道を歩き、バックステージも使ってドームの後ろの観客にもアピール。『ソバンチャ』の印象的なリフレインで会場中を巻き込んで、雰囲気は最高潮に。その勢いは『Sit down!』でも続き、さらに日本デビュー曲『Chain』と初期代表曲『Cherry Bomb』のマッシュアップでは会場中にスポットライトが乱反射するド派手な演出の中、勢いだけではないNCT127らしいパフォーマンスをしっかりと見せ、シズニを興奮させた。
ドヨンの美しいアカペラから始まる『Gold Dust』は韓国語原題で『ユンスル』という曲で、ユンスルは光に照らされてきらきら揺れる水面の波を表す言葉。その美しい言葉どおり、美しいメロディとハーモニーが東京ドームを満たし、それまでの興奮を落ち着けていく。ボーカルをリレーして紡ぐ『Fly Away With Me』、叙情的なピアノに寄り添う歌声でじっくり聴かせる『Love is a beauty』まで、NCT127のボーカルの魅力をたっぷりと届けてくれた。
ライブもいよいよ後半戦。『Simon Says』で真っ赤な衣装に着替えて再びステージに登場すると、センターステージに用意された豪華なテーブルの上でパフォーマンスした最後の晩餐を思わせる『Tasty』で観客の度肝を抜く。『Favorite(Vampire)』では吸血鬼を連想させる妖艶なパフォーマンスで会場をうっとりさせると、いよいよラストスパート。「死ぬ気でいくぜ!」というシャウトに続いて始まった『英雄; Kick It』ではドヨンの高音ロングトーンに重なるようにテヨンをセンターに据えてのパフォーマンスで一気にぶち上げ、この日一番の歓声があがった。その勢いのまま続けられた『2 Baddies』ではジャケットを脱ぎだすマークや、すでにはだけていたシャツをさらにめくりあげ「最後まで走れ」と叫ぶように歌うユウタなど、ステージの熱気も相当なものになっていることが伺えた。そして本編最後の『Fact Check』では一気に加速。NCT127のこの日一番気合の入ったパフォーマンスにシズニの大きなコールが東京ドーム中に響き渡り、比喩でなくドームが揺れた。最後のユウタの「叫べ、東京!」というシャウトで会場がひときわ大きい歓声を上げて、上り詰めていたボルテージが一気に弾けて、パフォーマンスが終わって会場が暗くなってもしばらく余韻が去らなかった。この瞬間を一瞬たりとも逃したくないという気持ちがすさまじい集中力を生み、まさに伝説のステージとなった。
アンコールでは会場の全員と写真を撮ろうとして、メンバーも知らなかった映像がサプライズでスクリーンに映し出された。メンバーからメンバーへのメッセージ、そして会場を訪れたファンたちの愛ある応援コメントが流れると、思わず涙ぐむメンバーも……。おそらくこれが入隊前最後の日本公演となることがわかっていたテヨンは涙をあふれさせ、ついに号泣。その姿に、シズニも声を上げて声援を送った。
最後のあいさつで、「僕のこれからの計画は、とりあえずたくさん飲みます」と冗談でシズニを笑わせたテヨン。おもむろに敬礼ポーズを取り、「かっこいいじゃないですか?」と言うと、それを見たジェヒョンが「ちょっとおにぎりポーズみたい……」とツッコミをいれる一幕も。そして韓国語で「僕がいない間、メンバーを頼みます」と語り始めた。「僕が思うに、僕もそこそこ大事な役割をしていると思います。リーダーとして。そうだよね? 本当にメンバーのことをよろしくお願いします」。そして最後には日本語で「いってきます。……いってらっしゃいって言ってくれなきゃダメでしょ?」とあくまで明るく、シズニを元気づけた。
デビュー8年目を迎えるNCT 127の集大成となったドームツアー、『NCT 127 3RD TOUR ‘NEO CITY : JAPAN – THE UNITY’』。シズニにとっても、メンバーにとってもNCT127の誇りを感じさせるツアーとなった。
Text_Yunico Woo Composition_Noriko Hata