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2023/6/21 CULTURE

「LINEの友だちリスト、すべて消せますか?」│住谷杏奈

S Cawaii! 編集部

LINE

住谷杏奈さん

取材・構成/岩淵美樹、撮影/楠本隆貴(WILL CREATIVE)、ヘアメイク/山口理沙(+nine)




今すぐ、LINEの友だちリストを消してください

 古くからの友人や地元の仲間を大切にするのは悪いことではないけれど、居心地がいい場所に身を置いていると甘えが出てしまい、成長スピードは上がりません。ステージアップしたい!何者かになりたい!生まれ変わりたいのであれば、人付き合いもそのタイミングでリセットしなければダメだと思っています。

 自分の会社の入社面談で「会社の方針だと言ったら、今、この場でLINEの友だちリストをすべて消せますか?」ときいています。これだけ聞くとヤバい会社のヤバい社長だと思われてしまうかもしれませんが、これをきくのには理由があります。

 この質問に対する答えは、だいたい3パターンに分かれます。

「はい、わかりました。全部捨ててでもここで働きたいので、すべて消します!」という人、「家族や親友だけ残してもいいですか?」という人、「今までがんばって築いてきた人脈をすべて捨てるなんてできません……」と、惜しむ人。
 もちろんその場で実際に消してもらうわけはなく、私はそのときの反応を見ているのです。
 私のもとで働きたいと入社してきて、今後私を信用してついてこられるのか、これまでの考えを捨てて真っ白なキャンバスになれる柔軟性はあるのか、AかBを選択するときに、正しい方を選べる判断能力はあるのか。やはり、すんなり「消せます」と言えた人は、その後ステップアップしているし、すごいスピードで成長しています。“もったいないオバケ”にとりつかれている人は、人生の選択をことごとく間違え、目の前に来たチャンスを逃す傾向にあります。

 友だちリストに100人、300人、500人……といたって、そのうち何人があなたのことを真剣に考えてくれていますか? あなたが危機のときに助けてくれる人は何人いますか? 何より量より質です。人に嫌われたくないと八方美人で人付き合いしても疲れるだけだし、気をつかいながら付き合う時間はムダです。ここでも「ドリーム時給」を思い出しましょう! それに友情とか絆とかって、もちろんプラスになることもあるけれど、モヤモヤしたり頭を悩ます材料になる場合もあります。

 いつまでたっても“もったいないオバケ”にとりつかれて過去を捨てられないと、前に進めません。なんでも容量って決まっていると思うんです。 自分の容量も決まっているし、自分の脳の容量も決まっています。満杯だと新しいものは入れられない。何かを捨てた分だけ、新しい何かをその場所に入れられます。新しいいいものだけを入れるためにも、過去を潔く捨てて余白を作っておくことが大切です。新たな環境でのスタートラインに立つためのリセットができるかできないかを、「LINEの友だちリストを消すことができるか?」という質問で見極めているのです。

人生は1回きりじゃない。50回、100回と体験できる 

 よく「人生は1回きりだから後悔しないように生きよう」と言うけれど、そんなことはありません。繰り返しになりますが、リセットボタンを押せばいつでも、どこででも、何回でも生まれ変われるし、違う世界を楽しめるんです。
 少しでも違うなと思ったら、すぐにリセットボタンを押して何回でもやり直せばいい。「諦めずに続けることが美学」の時代は終わりました。ツラいことがあったらすぐに逃げ出していいんです。50回目くらいに自分に向いているものに出会えるかもしれません。そうしたら、そのときに続ければいいんです。私は、今まで様々な状況で何十回もリセットボタンを押してきました。何回生まれ変わったかわかりません。でもいろいろなことを経験し、その経験という「装備」のおかげで、生まれ変わるたびに成長できました。時には不安になりながらもたくさんのものを捨ててきました。そうしたら結果、大切なものだけが残りました。

 過去の自分を思い出すときに、「あの頃はよかった」ではなく、「あの頃の自分は、何がいけなかったのか」と、自分の行いを省みて、次こそは正しい選択をするぞと心機一転また新しく生まれ変わることが成長につながっていくのです。


PROFILE
住谷杏奈(すみたに・あんな)
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1983年2月1日生まれ。2006年にお笑いタレント・レイザーラモンHGさんと結婚し、2008年に男児、2011年に女児を出産。夫のケガを機に商品開発をはじめ、実業家としての才能も開花。美容の知識を活かしたプロデュース商品で次々とヒットを生み出す。現在は、実業家、タレントとして活動。




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