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HOME 韓国の歌姫IUが 12年ぶりに日本公演を開催! 観客の大きな声援と歌声に「素晴らしいです。幸せになりました」
2024/4/9 CULTURE

韓国の歌姫IUが 12年ぶりに日本公演を開催! 観客の大きな声援と歌声に「素晴らしいです。幸せになりました」

S Cawaii! 編集部

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韓国では“国民の妹”と呼ばれるほど愛され、ドラマ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』や是枝裕和監督の映画『ベイビー・ブローカー』などで俳優としても高く評価されているトップシンガーのIU。3月上旬のソウル公演から幕を開けた、自身初となるワールドツアーを引っ提げて、実に12年ぶりの日本単独公演! 3月23日、24日に横浜アリーナにて『2024 IU H.E.R. WORLD TOUR IN YOKOHAMA』を開催し、満員の観客を魅了した。

 

割れんばかりの拍手と熱狂に迎えられ、円形のステージにスリットの入ったデニムスカートという衣装で登場したIU。ギター、ベース、キーボード、パーカッション、ドラムというバンド編成で奏でられる厚みと深みのある音と、透明感のあるハイトーンボイスが重なり合い、1曲目の『Holssi』からすでに至福のとき! キッズダンサーと共に楽しそうにゆったり踊るIUは、絶大な人気を誇るカリスマでありながらも、どこか親しみを感じさせる。この絶妙で圧倒的な存在感をこの1曲目でいかんなく発揮し、観客は一気にIUの世界観へ誘われた。

 

大歓声にかわいらしく「ふふっ。ありがとう」と笑顔がこぼれるIU。「日本には12年ぶりで、長い間お待たせしてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいです」と日本語で挨拶するも、「久しぶりに来たから日本語を忘れてしまいました。時々韓国語も忘れます(笑)」ときちんと日本語で語ったトークは茶目っ気たっぷりでキュート。

 

キャッチーな『Ah puh』では、バックのスクリーンに水面が映され、その中を自由に歌うIUがその美声もあいまってまるで人魚のように見える瞬間も。続いてかわいらしいミディアムテンポの『BBIBBI』ではファンからの応援の掛け声が響き、会場は一体感に包まれる。初の自作曲『Hold My Hand』では「この曲は一緒に歌って」とIUがマイクを客席に向け、ビッグバンド風のサウンドで魅せた『Friday』はサビで合唱が起こり、さらに他の曲でも掛け声はバッチリ。そんな観客のアツい反応の数々にIU自身も驚いたようで、「12年前に来たときは皆さん、静かだったんです」と感慨深そうにコメント。「完全体になりましたね! 素晴らしいです。幸せになりました。応援法が日本でもできるなんて驚きました」と語った。

さらに、「皆さん、他の歌手のコンサートやファンミーティングに行くのは大丈夫だけど、こんなふうに大きな声で一緒に歌うのは絶対ダメです。警告です。皆さんを独占したいから。他の歌手のところでこんなふうに歌ったら嫉妬します(笑)」とかわいらしく“警告”。

 

桜をイメージした薄いピンクと白を基調にしたシフォン素材のワンピースにハイヒールを合わせた衣装に着替えて、歌い踊ったラテン調の『Havana』では、男性ダンサーに担がれるなど、賑やかで艶やかなステージを演出。『strawberry moon』はアコースティックギターとパーカッションのサウンドをバックに椅子に座って歌い上げ、「本当に大好きな曲です」と披露したバラード『Through the Night』はしっとりムーディーな雰囲気に。真っ赤なドレスにハードなブーツに着替えてからのパートではより一層歓声も大きくなり、『Shopper』で明るくポップなステージで自身も楽しそうな笑顔が弾ける。1曲1曲、豊かな表現力とさまざまな趣向を凝らした演出で、一瞬たりとも飽きさせないステージング。たったひとりで観客を魅了する姿に、デビューして15年、トップスターであり続ける理由を実感させられる。

「もう本編最後のパートです」と語ると、会場は一斉に「えー‼」の悲鳴が轟く。これには「私は日本のファンのふたつが好きなんです。ひとつは拍手。もうひとつは『えー!』という声。今のは怖かったですけど(笑)、日本人の『えー』はかわいいです」とIUも思わずニコニコ。大きな掛け声と共に最高潮の盛り上がりになった『YOU&I』では、胸に手を当てて「ありがとうございます」と静かに頭を下げ、感慨深そうな表情を浮かべる。「忘れられない『YOU&I』になりそうです。胸がいっぱいになって鳥肌が立ちました。なぜこんなに申し訳ないという気持ちになるのかわかりません。もっと日本に頻繁に来ます」と挨拶。このコンサート中、何度も「お待たせしました」と「ありがとう」と繰り返した彼女の誠実さが、MCの都度、感じられる。そして本編ラストは、最新ナンバーにして、BTSのVとの共演MVでも話題になった『Love wins all』。ピアノの美しい音色とIUの美しく繊細な高音のハーモニーが会場をうっとりとさせ、余韻を残して暗転に。

 

アンコールで再び登場すると、「皆さん帰ってないですね?」「皆さん、私がまた出てくるってなんで知っていたんですか?」と早速ユーモアたっぷりに問いかけるのがかわいらしい。アンコール1曲目の『Shh..』を歌い終わって、「次が最後の曲です」と言うと、また会場からは「えー!」の嵐。それを見てふふっと笑いながら「ウソです!」と元気よく言うIUに、思わずファンも「なんだ~」とホッと安堵の表情に。どうやら、日本公演での「えー!」が相当お気に入りになった様子(笑)。こうしてステージ上でファンとの交流を頻繁に楽しむ姿が、コンサートを温かいものにしているのは確かだ。

アンコールでは他に『Twenty-three』『Holssi』の計3曲を披露し、最後はコンサートの冒頭と同じく“H.E.R.”の文字をかたどったリフトに乗ってステージを後にしたIU。ファンから大きな拍手が送られた。

 

が、この後、ダブルアンコールとしてスペシャルステージを用意してくれていたIU。ステージのスクリーンに“(ドラマ『愛の不時着』のOST)『Give You My Heart』を歌って、もう1度IUを呼びませんか?”という文字が出ると、それに合わせて観客が歌い出す。その途中でIUが再々登場し、観客の歌を引き継ぐ形で、アカペラで『Give You My Heart』を歌い上げた。「皆さんの歌をまた聴きたくて戻ってきました。キーが高かったですよね? 早く(ステージに行って)助けてあげないと思いました(笑)」とコメント。その後も、『Someday』や『Every End of the Day』など5曲(『My sea』は一小節)をファンにプレゼント。会場は歓喜と感動に包まれた。

 

韓国のIUのコンサートでは、彼女の母親が実費で作った座布団を来場者全員に配るのが恒例なのだが、今回の日本公演に韓国から座布団を運ぶのはちょっと大きすぎるということで、代わりにオリジナルのキーホルダー、トレカ、トレカケースが全員に贈られた。「重要なことではないけれど、座布団より原価は高いそうです(笑)」とコミカルに明かすIU。こんなふうにファンをとても大切にしているエピソードも心に残る。楽しそうに嬉しそうに音に身を委ねる彼女のコンサートは、観客は“観る”のではなく、“参加している”という実感を得られる、そんな喜びに満ちた空間が広がっていた。

 

Text_Mayuko Kumagai



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