韓国の大手芸能事務所・SM ENTERTAINMENTの所属アーティストが集結する合同ライブ『SMTOWN LIVE 2024 SMCU PALACE @TOKYO』が、2月21、22日の2日間にかけて東京ドームで行われた。日本では記念すべき20回目公演を迎える今回は、東方神起やSUPER JUNIOR、NCTなど13組55人の所属アーティストが出演。グループの垣根を超えたコラボステージや名物の日本曲カバーはもちろん、NCT WISHがデビュー曲を初披露するなど盛りだくさんの内容で、2日間で計9万5000人の観客を熱狂させた。本記事では21日の公演をレポートする。
初日のオープニングを飾ったのは、この日にデビューを迎えたNCT最後の個人グループ・NCT WISH。皮切りにシンセサウンドが印象的なダンスナンバー『NASA』、続いてプレデビュー曲の『Hands Up』をエネルギッシュにパフォーマンス。中盤では日韓同時デビュー曲の『WISH』を初披露。新人とは思えないほどのスキルとフレッシュな魅力を存分にアピールし、初ステージは大成功を収めた。
またこの日はSUPER JUNIORとのスペシャルコラボで『U』を披露。NCT WISHがバックステージで一番をパフォーマンスし、二番が始まるとメインステージにSUPER JUNIORが登場。ヒチョルが扇子をあおぐ姿で会場を大きく沸かせ、ラストのサビは計15名で踊る大迫力のパフォーマンスとなった。
続いて登場したのはヒョヨン。WayV・ヤンヤンのラップとのコラボで『DESSERT』を情熱的に魅せる。中盤では『Picture』を披露し、なめらかかつパワフルなダンスでダンスクイーンの貫禄を見せ付けた。
お次は、白いスーツに身を包んだSuper Junior-Mのチョウミがウニョク(SUPER JUNIOR)と共に登場し、『Manana』をムーディに歌い上げる。続けてチョウミ×リョウク(SUPER JUNIOR)による『Starry Night』をパフォーマンス。切なく美しいハーモニーで会場を感動で包んだかと思えば、リョウクが「SUPER JUNIORで一番大きいメンバーと小さいメンバーが歌いました」と笑いを誘った。
ロマンチックなムードのまま、ピアノの音色と共に始まったのはカンタとNCT127ドヨンによる『Doll』のデュエット。歌唱後、カンタが「ドヨンさんの歌声は本当にいいですよね」と呼びかけると、会場からは「ネー!」と大きな返事が。
続いて登場したのは、デビューと同時にミリオンセラーを達成した超大型新人グループ・RIIZE。ショウタロウが「東京、準備はいいかな!」と呼びかけ、デビュー曲の『Get a Guitar』がスタート。メンバー一人一人がモニターに映るたび割れんばかりの大歓声が起こり、第5世代を牽引する彼らの圧倒的人気を証明した。その後、今年1月に発表された初の日本語楽曲『Love 119(Japanese ver.)』をパフォーマンス。紙吹雪の舞う演出の中、儚くも楽しいムードで楽曲を届ける。ライブ後半には『Talk Saxy』と『Siren』を繋げたステージを披露し、RIIZEらしい抜群のダンススキルや、ウォンビンの舌ペロで会場を大いに湧かせた。
今回、RIIZEは先輩アーティストとのコラボステージにも多数参加。ソヒはSUPER JUNIORのリョウクと『The Little Prince』をデュエットし、感性豊かに美声を響かせた。ウォンビンは、スルギ(Red Velvet)、ジェノ(NCT DREAM)、カリナ(aespa)と共に『Hot & Cold』を披露。ウォンビンがスルギと肩を組みながらペアダンスを披露すると、会場からは絶叫にも似た歓声が。そして中盤には、東方神起の2人と『2023 MAMA AWARDS』ぶりに『Rising Sun』をコラボ。白スーツに包まれたRIIZEメンバーが火花の上がる演出とともに踊り出すと、会場のボルテージはマックスに。大熱狂の中、東方神起のメンバーが王者の風格たっぷりに合流し、計8名によるスペシャルパフォーマンスで東京ドームを揺るがした。
続いてはaespaが登場。『Next Level(Band Performance Ver.)』のイントロがかかった途端会場からは大歓声が起こり、カリナが曲中に「東京ドーム!」とあおるなどして熱いステージを届けた。大盛り上がりの中、続けざまに始まったのはヒット曲の『Spicy(Band Performance Ver.)』。バンドアレンジにより、いつもよりさらに迫力のあるワイルドな表現で魅せた。後半には、赤が基調のロックな衣装に着替えて『Drama(Rock Ver.)』を挑発的にパフォーマンス。ウィンターの圧巻のハイトーンボイスが観る人の心を震わせる。
続いてはWayVが登場し、『Love Talk(English Ver.)』を披露。歌い出しから鳴り止まない大歓声が起こり、貫禄と色気あふれるステージで大いに沸かせた。MCでウィンウィンが「久しぶりに日本の皆さんに会えて嬉しいです〜♡」と話すと、客席からだけでなくメンバー間からも「かわいい~!」の声が。続く『Phantom(English Ver.)』では、サビのセクシーでなめらかなダンスや、シャツから覗く腹筋に黄色い声援が上がる。ライブ後半では『On My Youth(English Ver.)』を繊細かつ高い歌唱力で聴かせた。2月にソロデビューを果たしたテンは『Nightwalker』を披露。狂気を感じる笑顔を垣間見せながら舞う憑依的なステージで、東京ドームを一人で完全に掌握した。
また、日本のSMTOWN名物である日本曲カバーでも大きな盛り上がりを見せた。トップバッターを切ったのはSUPER JUNIORのイェソン。Official髭男dismの『Pretender』を美しいハイトーンボイスでカバーした。Red Velvetのウェンディとaespaウィンターは、あいみょんの『空の青さを知る人よ』でコラボ。歌姫二人が織りなす心地いいハーモニーに観客はうっとり。そして特に盛り上がりを見せたのは、チャンミン(東方神起)、キュヒョン(SUPER JUNIOR)、ショウタロウ(RIIZE)によるYOASOBIの『アイドル』。かわいくてコミカル、そして鮮烈なステージに会場は笑いと歓声に包まれた。
その後ブラックのショートドレスに身を包んだテヨンが登場し、最新曲の『To.X』をクールな表情でパフォーマンス。中盤では、NCT127のジェヒョンと『Starlight』をデュエット。2019年のSMTOWNぶりの再タッグで、時折アイコンタクトを取りながら、ロマンチックな歌声で観客を酔わせた。
続いて、ネクタイやブレザーを身につけた制服ルックのNCT DREAMが登場すると会場からは大歓声が。日本デビュー曲の『Best Friend Ever』で愛らしいステージを見せ、MCではジェイが「毎日毎日会いたかったです」とファンにラブコールを送る。『We Go Up』では会場の掛け声と共に一体感のあるステージを、『ISTJ』では黒スーツに身を包み、大人の魅力溢れる姿を見せた。
次に、Red Velvetが『WILDSIDE』を披露。全員が余裕で繰り出す圧巻のハイトーンボーカルと、美しすぎるビジュアルで存在感を見せ付ける。MCでは、この日誕生日を迎えたウェンディに「お誕生日おめでとう〜!」と会場の全員でお祝いする愛に溢れたシーンも。アイリーンとスルギによる『Monster』の強烈なパフォーマンス、日本では初披露となった『Chill Kill』、エレガントなリズムが印象的な『Feel My Rhythm』を披露し、Red Velvetの幅広い世界観を巧みに表現した。
そして、満を持してブルーのペンライトで埋め尽くされた会場に登場したのがSUPER JUNIOR。伝説的ヒット曲『SORRY,SORRY』を披露し、観客をあおりながら会場を大いに盛り上げる。MCでは、イトゥクが「僕たちに与えられた時間は3分しかないです! それぞれ話したいことを話してください。準備スタート!」と言うと全員がしばらく口々に話し、カオスな状況に。「SMTOWNはこれを望んでいましたか?」とキュヒョンがオチを付け、会場が爆笑に包まれた。愉快なMCで場を沸かしたかと思えば、続く『BONAMANA』、『Black Suit』ではワイルドで迫力あるパフォーマンスを披露。かわいくて面白くて自由でカッコいい、ずるいくらいにSUPER JUNIORの魅力が詰まったステージを作り上げた。
日本ドームツアー『NCT 127 3RD TOUR ‘NEO CITY : JAPAN – THE UNITY’』を開催中のNCT127は、大歓声の中登場し『Be There For Me』を温かく歌い上げる。メンバー同士で抱き合ったり、ユウタがメンバーに囲まれてにっこり微笑んだりするかわいらしい姿に大歓声が。かと思いきや、ライブ終盤では『2 Baddies』、『Fact Check』で会場のボルテージを上げ、ユウタの「東京楽しんでるかー!」というあおりでさらにブチ上げモードに。
また、NCT127のリーダーであるテヨンは様々なステージに引っ張りだこ。ジェノ(NCT DREAM)、ヘンドリー(WayV)、ヤンヤン(WayV)、ジゼル(aespa)とのコラボ曲『ZOO』のほか、NCT Uとして『Baggy Zeans』をパフォーマンス。ソロステージでは、ソロデビュー作『SHALALA』をダークなムードと重いビートで魅せ、会場からは「イ・テヨン」コールが。テヨンの持つ抜群のカリスマ性を、この日も遺憾無く発揮した。
大トリを飾ったのは東方神起。火柱の上がる演出と共に、圧倒的なハイトーンボーカルと確立した表現力で魅せる『Down』、『Rebel』のステージで、表現者としての格の違いを見せ付ける。王者の貫禄を漂わせながらも、MCでは「大分挨拶が遅くなりました。あけましておめでとうございます」と謙虚な姿勢のチャンミン。ユンホが「次に歌うのはみんなが知っている曲かもしれません」と笑顔で紹介し、始まったのは『呪文-MIROTIC-』。ミステリアスで力強い伝説的ナンバーで盛り上げ、東方神起カラーであるパールレッドで会場を染めた。
最後は全員がSMCU Tシャツで登場し、『Hope from KWANGYA』を歌ってこの日のライブは幕を閉じた。常時盛り上がりっぱなしで、息つく暇もなく約4時間を駆け抜けたSMTOWN 2024。あまりの濃さに抜け出せないほどの余韻を感じながらも、来年の開催が今から待ち遠しい。
Text_Anco Oshita Composition_Noriko Hata