Stray Kidsが自身初のジャパンドームツアーを開催。8月の福岡PayPayドームを皮切りに、9月にはバンテリンドーム名古屋、京セラドーム大阪、そして10月28、29日には東京ドームと、4都市8公演を無事に完送した。そんな「Stray Kids 5-STAR Dome Tour 2023」最終日の東京ドーム公演をレポート!(画像は10月28日公演のものになります)
ペンライトの光で東京ドームが真っ赤に染まる中、メンバーが1人ずつポップアップで登場。1曲目は、今年2月にリリースしたJAPAN 1st Album 『THE SOUND』収録の『Battle Ground』。かがんだダンサーの上を飛び越える振り付けの合間には、バンチャンとハンがハイタッチしたり、スタートから華やかなでダイナミックなパフォーマンスを見せた。
MCでは、リノが「STAY(Stray Kidsのファンの名称)が声を出すために見本を見せて」とフィリックスに促すと、フィリックスは日本語で「めっちゃ最高―!」と大絶叫。ドームを揺るがす大絶叫にリノは「よくできました」とうれしそう。バンチャンが話そうとすると、隣のヒョンジンがタンクトップの紐を下ろそうとしたり、東京ドームという大きな舞台にも物怖じせず、いつも通り自由なトークを繰り広げるStray Kids。そんな中、バンチャンは「東京ドームまで来ることができたのはすべてSTAYのおかげです!」と感謝の気持ちを表すと、会場からはあたたかい拍手が贈られた。
この日の挨拶スタイルは、メンバーがなぜかドラえもんをモチーフに、“リノ太”になったり“ハニえもん”になったり。チャンビンは「オレのものはオレのもの、STAYのものもオレのもの」とまさに“ジャイアン”になって、リサイタルを開催。「オレはチャンビン♪ ガキ大将~♪」と美声(?)を披露した。
今回のツアータイトル“5-STAR”にちなみ、「みなさんに三つ星でもなく、五つ星の公演をお届けしたいと思います」とフィリックスが言うと、「東京ドームでも事件です!」というハンの言葉に続くラップで『CASE 143 -Japanese ver.-』がスタート。ポップなサウンドがドームを満たした後は、チャンビンの迫力満点なラップで始まる『神メニュー -Japanese ver.-』へと続き、ハンの煽りで火がつく『ALL IN』でドームの熱気は最高潮に。『神メニュー -Japanese ver.-』と『ALL IN』はバンドアレンジが施されたバージョンで、「やっぱりバンドサウンドが入るともっと血が騒ぐなあ!」とバンチャンも笑顔を見せた。今回だけでなく、Stray Kidsのコンサートはこれまでもバックバンドが生演奏しているのだが、そのせいか曲が終わってもメンバーがメロディを口ずさむとすぐに演奏が始まったり、メンバーがコメントするとその時の気分にあわせた伴奏が入ったり、息の合ったところを随所に見せていた。
ちなみに、今回のツアーではアメリカンフットボールがモチーフになっている。アメフトでは試合時間が4つに分けられており、それぞれをクォーターと呼ぶことに倣って、このツアーでも第1クォーターから第4クォーターでコンサートが構成されていた。序盤から大盛りあがりだったここまでが第1クォーターは、この後からは第2クォーターへと突入する。第2クォーターの始まりは、
バンチャン
リノ
チャンビン
ヒョンジン
メンバーの目が青く輝く不穏なVCRからスタート。続いて始まった『WOLFGANG』では狼の遠吠えを思わせるフィリックスのハウリングや、ダンサー総出の群舞で会場を圧倒。続く『MIROH』ではメンバーがナイフを口にくわえるパフォーマンスを見せ、東京ドームが歓声で揺れた。ここからはメンバーのソロステージへ。フィリックスがステージ上でトップスの背中のジッパーを開き、背中に描かれた羽のタトゥーシールを見せ、会場が悲鳴に包まれた『REV IT UP』から、パンクロックを高らかに歌い上げたハンの『Don’t Say』、ドリーミンなポップソングをかわいらしく踊ってみせたスンミンの『PERFUME』、アイエンは真っ白なスーツに真っ白なグランドピアノを弾きながら『Hug Me』を歌い、リノはマイクスタンドで『Limbo』を歌いながら客席を盛り上げる。モスグリーンのセットアップにティアドロップ型のサングラスでオールディーズな雰囲気を漂わせるバンチャンは「BABY」でステージから客席に花一輪を投げ入れるパフォーマンスも。紫の光をまとわせたヒョンジンはセンターステージでダンサーとともに『MIC & BRUSH』でセクシーな輝きを見せ、ラストはチャンビンが『命(ミョン)』でパワフルなラップとダンスで会場を盛り上げた。
ハン
フィリックス
スンミン
アイエン
続く『CIRCUS』では再び全員揃ってステージへ。途中、リノが銃のおもちゃを撃つと、中から銀テープが弾ける仕掛けも。さらにチャンビンが曲を止めると、「前からずっとやりたいことがありました」とメンバーだけでなく会場も巻き込んでスクワットをし、さらにステージ上で鶏むね肉をもぐもぐ。メンバーに「公演中にタンパク質を摂るアイドルはどうですか?」とからかわれながらも、結局しっかり完食するまで全員でチャンビンのもぐもぐを見守っていた。
『SLUMP -Japanese ver.-』を歌い終わった後は、この曲を作ったハンが「僕が言うのもなんですが、いい曲ですよね」と言うと、会場からは大歓声が響き渡る。そしてヒョンジンの「ハンくんを褒めてあげて」の声掛けでメンバー全員から「よしよし」と撫でられ、照れ笑い。
「今からSTAYの元へ飛んでいきたいと思います」というスンミンの言葉で始まった『SUPER BOARD』では、メンバーがムービングステージに乗って東京ドームの後方まで到達。さらにスンミンが「遊園地ではワンデイパス、STAYの心に僕は顔パス」と言って始まった『Social Path (feat. LiSA)』は、LiSAとコラボした疾走感あふれる曲。さわやかでエネルギーあふれるこの曲は、「僕たちが歩いてきた道を歌詞で表現しました」とバンチャン。「僕自身の経験をもとにしていますが、たくさんの方が共感できる内容です。この曲を聴いた、同じ経験をしているSTAYにとって、僕たちが一番の理解者でありたいと思います」と、歌詞について解説してくれた。11月10日リリースするアルバムの新収録曲『MEGAVERSE』では、ライブ終盤にも関わらず、これぞスキズと言える本気のパフォーマンスで最後まで会場を熱く燃え上がらせた。
アンコールではトラック型の大きなフロートに乗ってメンバーがドームのアリーナに登場。カバンいっぱいに詰め込んだSKZOO(メンバーを模した動物キャラクター)のぬいぐるみを客席に投げ入れながら、STAYと楽しそうにコミュニケーションを取っていた姿が印象的。最後の挨拶では、「STAYがここまで来るのにどれだけ大変か知っています」とリノ。「僕たちのために掛け声を練習して、会場まで来て長い列に並んで、席に座るまでの絵が思い浮かびます。そんな愛おしいSTAYにしっかり楽しんで、笑顔で帰ってほしいから、全力で歌って踊りました」と言うと、歓声が沸き起こった。
ハンは「今日の思い出とみなさんからの愛があればもっといい曲を書けそうな気がします。また素敵な曲でみなさんのもとに戻ってきますね」と曲作りをするメンバーらしい言葉を贈った。末っ子のアイエンは「これからも僕たちにたくさん想いを送ってください。僕はそれを倍にしてお返しします」と日本語で伝えた後に、韓国語では「いつもたくさんの愛をいただくことが当たり前ではないとよくわかっています。感謝すべき方たちがいてくれたおかげで素敵なステージに立てたと思います。何があってもいつでも謙虚でいます」と、謙虚な姿を見せた。フィリックスは東京ドームの大きさに圧倒されたと言いつつも、「でもSTAYの瞳をひとりひとりしっかり見たくて、一生懸命アイコンタクトをがんばりました」とにっこり。STAYへの感謝の気持ちを込めて、「STAY、ありがとうございまーす!」と大きな声で叫ぶと、英語では韓国のドーム公演に母が観にきて喜んでくれたこと、東京ドームにも家族が来てくれたこと、こんな幸せをくれたSTAYに感謝したいこと、もうすぐ韓国でカムバックすることなどを伝えた。バンチャンはそんなフィリックスの言葉を受けて「僕たちの幸せはすべてSTAYのおかげです」としみじみと語った。ドームツアーのための練習期間から振り返り、もうツアーが終わってしまったことへのさみしさを表現しつつ、「音楽は素晴らしいし、不思議な魅力があると思います。そんな素敵な場所を作ってくれたスタッフのみなさん、一緒に準備したメンバーのみんな、そしてここにいるSTAYのみんなに感謝の気持ちを伝えたいです」とそれぞれに礼を伝えた後に、韓国語で「メンバーたち愛してる!」と絶叫。それを聞いて「最後の日だから、ハグしてあげよう」と次々とメンバーがバンチャンのもとに集まり、そんなバンチャンの目にはうっすら涙が……。そして「みなさんからはいつも大きなものをもらっていますが、カムバックでみなさんにお返ししたいです」と韓国語で、さらに英語で記念すべきドーム公演を作ってくれたすべての人への感謝を再び述べた。
ヒョンジンは「今日もみなさんは“沼”でした。しばらく抜け出せそうにないです。だから大人しく沼につかってみなさんの愛に甘えたいと思います。がんばったから、少しは甘えてもいいですよね?」と小悪魔的な笑顔でSTAYの歓声を浴びると、「応援してくれたSTAYも僕にたくさん甘えていいよ」と「よしよし」撫でるフリをしてみせた。スンミンは「ずっと夢見ていたことがこうして実現できたこと、それをここにいる7人とSTAYと一緒にできたこと、とても感動しています。全部STAYの愛のおかげです」と日本語でコメント。「会場が大きくなるからと言って僕の実力も上がるわけではないことをよく知っているので、けっして当たり前だと思わず、もっと成長した姿をお見せできるように、みなさんの見えないところでも実力を磨き続けます」と宣言。最後にはじっくりドームの景色を焼き付けた。「ドームが想像以上に大きかったことにびっくりしたというチャンビンは、最初から最後まで幸せな時間でしたと語り始めた。「僕たちスキズは直訳すると“家がない子どもたち”という意味ですが、僕たちがさまよっても、戻れる家がSTAYです」と、STAYへの愛を告白。「またSTAYという家に戻ってきます」と約束した。
そしてここで、サプライズで、スクリーンにはStray Kidsのこれまでの歩みが映し出された。日本デビュー決定のシーンから、2019年の日本でのショーケース、そしてコロナ禍があり、次にまたいつSTAYに会えるだろうという不安が襲う。そうやって始まった2022年の「MANIAC」ジャパンツアー、アンコール公演があり、バンチャンが涙を見せるシーンではヒョンジンが思わず口を覆った。そして今回のドームツアーのシーンで映像が終わると、会場では「STAYの光になってくれてありがとう♡」と書かれたスローガンを掲げるサプライズが。東京ドームの会場が深いブルーに染まったその景色を見て、ハンは思わず「青くて、海みたい」とつぶやくと、ヒョンジンは「こんなにまで愛をいただくことができるんだなとあらためて感じさせてくれてありがとうございます」と、しみじみ。フィリックスも「STAYのおかげで愛の意味を正確に知ることができました。これが本当に愛なんだ」と涙を浮かべ、バンチャンも「僕たちもSTAYにありがとうと伝えたいです。デビューしてからコロナ禍でみなさんと思うように会えなかったけど、いつも待っていてくれてありがとうございました」と、涙を目に浮かべて感謝の気持ちを伝えた。この景色を写真に残そうと、客席をバックに「ファイブスター」、「樂(ロック)スター」、「ありがとう」、そして「STAY」の掛け声で記念撮影。あらためて会場を見渡しながら「STAY、本当にきれいですね。STAY、好きだよ。めっちゃ好き!」とフィリックスが言うと、会場からは悲鳴のような歓声が上がった。
そしてStray Kidsのコンサートではおなじみとなっている、「Stray Kids everywhere all around the world」をバンチャンが叫ぶと、STAYとメンバーが「You make Stray Kids STAY」と返して、感動のMCパートは締めくくり。最後はこちらもライブ定番曲、メンバー紹介ソング『FAM』、そして『Haven』では会場が一体となってジャンプ! そんな幸せムード満点でドームツアーも終了、かと思いきや、最後の最後でメンバーがステージに戻ってきて、『MIROH』を披露。リノは衣装についていたSKZOOのぬいぐるみを取って客席に投げ入れたり、スンミンはステージの残って「叫べ!」と客席を煽り続けたりと、最後まで自由にドームツアーを楽しみ尽くしたStray Kids。韓国でのカムバックも楽しみに待ちたい。