SEVENTEENの日本ドームツアー「SEVENTEEN [RIGHT HERE] WORLD TOUR IN JAPAN」の東京ドーム公演が12月4日、5日に開催され、2日間で10万人を動員した。12月4日のライブの模様をレポートする。
中国活動に専念中のJUN、兵役中のJEONGHANを除く11人で臨んだ今回のワールドツアー。10月に韓国で開幕し、日本では、11月29日に愛知・バンテリンドーム ナゴヤを皮切りに4都市10公演を回った。
開演1時間前、会場にはすでに多くのCARAT(ファンの呼称)の姿があった。スクリーンにはMVがひっきりなしに流れ、CARATたちは一緒に歌ったり、応援法を叫んだりしながら、”その時“を今か今かと待ち構えていた。
開演時間になると、暗転したステージが真っ赤に染まり、巨大LEDモニターがゆっくり開いた。ステージに設置された階段状のセットには、モノクロのファッションに身を包んだ11人の姿が。オープニングを飾るのは『Fear』だ。生バンドが臨場感溢れる音を作り出している。一人一人の顔がクローズアップされるたび、悲鳴にも似た歓声が飛んだ。特に、前回の東京ドーム公演に参加することが出来なかったS.COUPSの顔が映ると、一際大きな声援が飛んでいた。曲が終わると、メンバーたちは一旦ステージ裏へ。スクリーンの上部に二匹の3D大蛇が出現し、本格的なショーの始まりを告げた。
緑と青のレーザーがアリーナに向かい発射され、ステージに炎が上がると、メンバーたちがダンサーを引き連れて再び現れた。11人は火山帯に稲妻が落ちる映像をバックに、『Fearless』を披露。ステージ中央の円柱に立っていたマント姿の男が仰向けに倒れるという衝撃的なエンディングを迎えると人気曲『MAESTRO -Japanese ver.-』を投入。1ミリの狂いもないカル群舞でファンの視線をくぎ付けにする。力強いパフォーマンスにCARATたちの「SEVENTEEN!」の掛け声にも力が入る。
ここで最初のMCタイムに。気合い十分のHOSHIがトークをリードしていく。
この日はTHE 8の初の中国ソロミニアルバム『STARDUST』の発売日ということで、THE 8の挨拶の際には、メンバー全員でお祝い。THE 8は、MINGYUから始まった「見せて!」コールに応え、タイトル曲の振付を一部披露すると、艶かしいダンスで観客をうっとりとさせた。SEUNGKWANは、「CARATちゃ〜ん! 今日は楽しく、ビタミ〜ン、プッ」とJEONGHAN考案の新挨拶で盛り上げる。DKは、「オオカミ・ドギョムです。うぎゃ! 今日も完璧な1日にしてあげます」と愛嬌を見せた。HOSHIの挨拶の際には突然、哀愁漂うBGMが流れ、音楽に酔いながらコンテンポラリーダンスを披露。会場がしっとりとした雰囲気に包まれる……と思いきや、メインステージではSEUNGKWANとVERNONがペアストレッチをしてふざけていて、雰囲気を台無しに。自由すぎるトークもSEVENTEENライブの楽しみのひとつだ。
全員の挨拶が終わると、THE 8の「SEVENTEEN is right here」の声を合図に、セカンドセッションへ。『Ash』や『Crush』と続け、ユニットステージタイムに突入した。
先陣を切ったのはHIPHOP TEAM(S.COUPS、VERNON、MINGYU、WONWOO)。4人が作曲に参加した最新ミニアルバムの収録曲『Water』で魅力を発揮する。サングラス姿で煽りまくるMINGYU、美しさで圧倒するVERNON、時折ニヤッとする表情でファンを悩殺するS.COUPS。WONWOOの振る舞いもスマートだ。
PERFORMANCE TEAMの3人(HOSHI、DINO、THE 8)はカプセルの中から登場する近未来的な演出で『Rain』『Lilili Yabbay』を披露。『Rain』ではTHE 8が女性ダンサーと絡みCARATたちを発狂させると、DINOは黒のタンクトップ姿で鍛え上げられた上腕二頭筋をアピールし、HOSHIは華麗活迫力あるパフォーマンスで魅了した。
ユニット別ステージのトリを飾ったのは、VOCAL TEAM(WOOZI、JOSHUA、SEUGKWAN、DK)。夜空に浮かぶ満月の中から登場し、バラード曲『Candy』を披露。囁くように優しく歌うJOSHUA、普段より一段とキュートな歌声のWOOZI。SEUGKWANの感情たっぷりのボーカルも、DKの緩急のある声量感たっぷりのボーカルも心地よく、曲が終わると自然発生的に会場には拍手の音が響いた。WOOZIの「この曲知っていますか? 1、2、3、4!」という呼びかけで始まった『Cheers to youth』では、ペンライトの光で会場が水色に染まる中、青春を感じさせるパフォーマンスで多幸感溢れる空間を演出した。
「みんなといるすべての瞬間が青春だ!」というDKの雄叫びで、メンバーが全員ステージに集合。「今日は皆さんのおかげで最高の夜ですね。皆さん楽しんでください」と幸せそうな表情を見せるWONWOO。全員で花道を歩き、アリーナ最後列に設置されたサブステージに集まると、スタンド席のファンたちに手を振ったり、ファンたちと目を合わせたりしながら『ひとりじゃない』を歌い繋ぐ。サビで「Oh oh」と合唱すると、いつの間にか会場が一体となっていた。ソロパートを歌うDINOの頬をMINGYUが愛おしそうに撫でたり、熱唱するDKの肩をSEUGKWANが抱いたり。THE 8を持ち上げる振付の後DKがTHE 8に満面の笑みを見せたり。メンバー同士のちょっとした絡みにほわっとしたり、萌えたりと、CARATたちも忙しそう。
VCRを挟み、サードセットへ。『Oh My! -Japanese Ver.-』はメンバーたちがバドミントンやバスケをしていたり、ベッドで寝ようとしていたり、思い思いに歌っている。曲の途中にはゴジラやうさぎ、カエルなどの着ぐるみが次々と登場し、メンバーとダンスバトル。巨大ピザのぬいぐるみを投げつけるDK、バトミントンのラケットで戦いを挑むMINGYU……。『Snap Shoot』『God of Music』と続けると、宇宙人や幽霊の着ぐるみも出てきて、遊び心いっぱいの賑やかなステージに、会場も自然と笑顔の花が広がった。
ダンサーとバンド紹介、最新日本オリジナル曲『消費期限』を続けると、次のVCRにはJEONGHANとJUNの姿が! ステージ上には11人しかいなくても「心は13人」であることが感じられた。『LOVE, MONEY, FAME(feat.DJ Khaled)』のパワフルなパフォーマンスで熱狂させると、最後のトークタイムへ。ここで、「セットリストにない曲を歌おう!」ということに。ファンたちに「聴きたい曲ある?」と質問をするSEUGKWAN。アカペラで『Happy Ending』を歌うことになったのだが、なにやらDKは歌詞が怪しい様子……。SEUNGKWANをハグして誤魔化しながら歌う姿がかわいかった。続いてVARNONが『舞い落ちる花びら (Fallin’ Flower)』
を歌い出すと、MINGYUがオーバー気味にダンスをしてもりあげた。
観客たちがウェーブを作ると「キレイ」とうっとりする11人。すると、一人座って見ているS.COUPSの姿が。それに気づいたHOSHIが「S.COUPSさんは歳が……」と言い始めると、S.COUPSはすぐさまむくっと立ち上がり、逃げるHOSHIを猛ダッシュで追撃! その華麗な走りは、さながら全盛期の「アユクデ(韓国の“アイドルスター陸上選手権大会”」を見ているようだった。
本編最後のステージは『Super』。ステージには炎がバンバンと上がり、バンドアレンジでさらにダイナミックになった曲を、力強いパフォーマンスで見せていく。「これぞパフォーマンスの神!」と息を飲むような迫力満点のパフォーマンスに圧倒される中、本編が終了した。
アンコールステージを待つ間のイベントは、昨今SEVENTEENのライブの定番となっているファンのシングセッション。『Together -Japanese.ver-』、『Run to You』、『Siren』、『CALL CALL CALL!』などのヒット曲を合唱しながら、会場の熱気をさらに上げていく。再び11人が登場し、アンコールがスタート。だて眼鏡で決めるMINGYUとWOOZI、動物の耳付マフラーでキュートな笑顔を振りまくDKとJOSHUA……。11人はメインステージの左右の道から4つに分かれてトロッコに乗り込むと、アリーナの外周をゆっくりと回りながら『Adore U』『’bout you』を歌い、スタンドのファンたちとも交流していく。「ファンの近くに来ると心が温かい気持ちになりますね」と言って微笑むDINO。『Campfire』では、メンバーそれぞれがスタンドの観客を指差しながらハートを届けた。メンバーたちはメインステージに戻ると、ステージに設置されたリフトに座り、エンディングトークへ。
(以下、メンバーのコメント抜粋)
HOSHI
スタジアムツアーとドームツアーができて本当に幸せでした。僕の20代を輝かせてくださりありがとうございます。本当に心から(日本語で)孫の孫まで自慢です。いつもありがとうございます。ホランへ(愛してます)!
VERNON
来てくださったCARATの皆さん、ありがとうございます。コンサート楽しんでくださったなら嬉しいです。これからもいい思い出をプレゼントできるように頑張ります。愛しています。
MINGYU
とても楽しかったです。興奮しすぎちゃいました。あはは。老若男女たくさんのCARATがいらっしゃいますが、歳も国籍も関係なく、音楽で一つになる瞬間が意義深いと思っています。(拍手)この拍手は皆さんに届けたいです。これからも僕たちとCARATの関係、青春を守るために、一生懸命いい音楽を届けていきたいです。これからも……よろしくお願いします。
DINO
まず、本当にありがとうございます。トロッコで回ってみて、CARATの皆さんが本当に待っていてくださったんだなと思いました。CARATと一緒にコンサートをするときは幸せですし、嬉しいです。ちょっとTMIを言いたいです。7年ぶりにイヤモニを新調しました! ブラックのイヤモニです。あはは。本当にありがとうございます。
JOSHUA
今日の公演はどうでしたか?(うさぎの耳を観客に向けて声をきく) 楽しかったですか? CARATの果てしない愛の力で、僕も本当に幸せでした。皆さんからもらった愛と応援を忘れずに恩返しするJOSHUAになります。愛しています。うちのCARATちゃ〜ん!
THE 8
今日、CARATの皆さんのおかげで本当に幸せでした。いい思い出を一緒に作りましたね。これから寒くなるので、暖かくしていつも笑っていてほしいです。僕もCARATの皆さんの力になれるように頑張ります。ありがとうございます。今日僕のEPアルバムが出ました。たくさん応援してください。
DK
CARATの皆さん! 今日は本当に幸せでした。今日の公演は気分が良く、楽しく過ごして満たされています。公演している間ずっと気分がよかったですし、皆さんの幸せそうな顔を見て満たされました。大きな会場を埋めてくれて本当に心からありがとうございました。皆さんがいなかったら、こんなステージにならなかったと思います。最後に楽しかった分、叫んでください!(わ〜!) 喉が痛いのにキレイな声で叫んでくれてありがとうございます。今日のこと、忘れないで頑張っていきます。CARATの皆さんとの絆を大切にします。また会いましょう。バイバイ。
WOOZI
(DKの耳付きマフラー姿を見て)かわいいな。(DKがWOOZIの肩にピトッとくっつく)CARATの皆さん、本当にありがとうございます。いつも皆さんのことを考えて歌っています。いつも元気で毎日幸せに過ごしてください。
WONWOO
皆さん今日は来てくださってありがとうございます。今日もとても楽しかったね。皆さんと一緒に忘れられない思い出を作りました……ね? JUNとJEONGHANの分まで頑張りましたが、どうでしたか? 大丈夫でしたか? (拍手)よかったね❤️ また13人で戻ってきます。今日も月がキレイですね。ありがとうございました。
SEUNGKWAN
東京ドームに来てくれたCARATちゃん! 本当に、とても、すごく、めっちゃ、超ありがとうございます。CARATちゃんのおかげで、僕はとても、すごく、めっちゃ、超、たくさん、いっぱい幸せです。皆さんの目を見ていると、幸せになります。僕たちはあと1ヶ月で(デビュー)10周年になります。どなたかが持っていたプラカードに「10年後にもここで会おう」とあり、それを見て、「それまで一生懸命頑張らないと」と思いました。その時まで一緒にいてくれたら、本当に本当に感謝したいです。これからも、今までもそうだったように、メンバーと幸せに音楽をしていきたいと思います。来てくれてありがとうございます。
S.COUPS
あそこ(観客席)で見るよりも、やっぱりステージにいる方がいいですね。待っていてくれて本当にありがとうございます。待っていてもらったので、これからも怪我をしないように一生懸命頑張りたいと思います。SEUNGKWANの話を聞いていて思ったことがあります。僕の夢は、10年後にも東京ドームで公演ができるアイドルでいることです。笑っちゃうかもしれないけど、皆さんと一緒に歳をとっていきたいです。日本の音楽番組を見ると、本当に長く活動をしている先輩歌手の方がいらっしゃいますよね。その方々よりも長く、もっとかっこよく続けたいと思います。これからもよろしくお願いします。
一人一人自分の思いを自分の言葉で語ると、「もしもし?」とTHE 8の電話をするジェスチャーを合図に、『CALL CALL CALL!』でネバーエンディングアンコールに突入! MINGYUが「ピッ」とファンで充電すると「アジュ〜ナイス!」の声と共に盛り上がる鉄板ソング『VERY NICE』『HIT』などキラーチューンで盛り上げていく。HOSHIがノリノリで『CHEERS』のポイントダンスを踊ると、DKとSEUNGKWANも続いてダンス、ダンス! 『HOT』『VERY NICE』『Holiday』をリピートして踊りまくるメンバーたち。疲れを知らない11人のパフォーマンスにCARATたちのテンションも爆上がり。会場の熱気がMAXまであがったのを確認した11人は、思い思いに「ありがとう!」と叫び、最高に熱い一夜の幕が閉じた。
(P)&(C) PLEDIS Entertainment
Text_Mieko Sakai