2022年12月、初のアリーナツアー「2022 INI 1ST ARENA LIVE TOUR [BREAK THE CODE]」を全国4都市(愛知・大阪・東京・福岡)で開催したINI。年をまたいで1月7日、8日に行われた追加公演の会場は、多くのアーティストの憧れの舞台である東京・日本武道館! デビュー1周年記念生配信で追加公演がサプライズ発表されてからはや2カ月、“ライブの聖地”に降り立ったINIの1月8日夜公演の模様をレポートする。
オープニングVCRにてメンバーの姿が順に映し出されると、ペンライトの光で会場がそれぞれのメンバーカラーに染まる。期待が最高潮に達したところでステージ上の鉄格子が開き、火花の中から11人が登場! デビュー曲「Rocketeer」でスタートし、リーダーの木村柾哉が「ラスト行くぞ~!」と叫び、盛り上げる。続く「Cardio」では田島将吾の「Put your hands up 武道館!」の声に応えるようにペンライトが揺れ、さらに「BOMBARDA」と迫力のあるパフォーマンスを3曲連続で披露し、声が出せない中でも会場の熱気がどんどん上がっていくのが伝わってくる。
MCでも「もう武道館だろうが最後だろうが、みんなでぜんぶ力を振り絞ってこのツアーを完成させましょう!」(西洸人)、「皆さん、盛り上がれる準備できてるのか~! 俺らもめちゃくちゃ気合い入ってます」(松田迅)、「マップで開いたときにこの武道館のところが金色に輝くくらいホットスポットにします!」(後藤威尊)と気合い十分。一方、オーラスということで髙塚大夢が「泣く時間じゃないですからね。楽しんで笑って帰る2時間半にしましょう。メンバーもね、泣くんじゃねーぞ!」と呼びかけると、西洸人から「大丈夫? フラグ立ててる?」とツッコミが。田島将吾は「最近毎日、白湯を飲んでます! (でも)白湯なんて必要ないくらい、皆さんと会うと心も体も温まります」とMINI(ファンの呼称)に会えた喜びをユニークに表現し、アリーナ、1階席、2階席と順番に「手を挙げてください!」と呼びかけて会場の一体感を高めた。
新年の公演ということで、全員が声をそろえて「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします!」と挨拶。INIには卯年の年男が4人いるが、代表して藤牧京介が「もっとたくさんのMINIのみんなに会うことが目標です」と今年の抱負を述べた。卯年のひとり髙塚大夢がタオルを耳代わりにしてキュートなうさぎに変身すると、松田迅が藤牧京介の頭にタオルを当ててうさ耳に。藤牧京介は「俺はいいから」と恥ずかしがって逃げたものの、木村柾哉が背後から手の平を出してうさぎにするというかわいい一幕もあった。
佐野雄大の「僕たちにとってすごく思い出深い楽曲です。成長したINIがパフォーマンスさせていただきます」という紹介で始まったのは、彼らを生んだオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」のファイナルの課題曲「RUNWAY(INI Ver.)」と「ONE(INI Ver.)」。あれから約1年半が経ち、風格すら感じるほど堂々としたパフォーマンスに観客も胸が熱くなったに違いない。
メンバーが子どもになって気になる子と友だちになる方法を探すというVCRのあとは、軽快なR&B調の「Do What You Like」。木村柾哉と西洸人がオルゴールをイメージして振り付けた「KILLING PART」へと進み、最後に髙塚大夢と藤牧京介が両手でうさ耳をしながら2人一緒に飛び出すと、あまりのかわいさに会場から歓声が上がった。続く「AMAZE ME」では、武道館公演限定で佐野雄大と許豊凡のポーズをメンバーみんなが真似するという楽しい演出が。佐野雄大が序盤にうさ耳、許豊凡が中盤に両腕で大きなハートを作ってジャンプすると、メンバーも続けてポーズ。終盤は佐野雄大が松田迅を、木村柾哉が髙塚大夢をお姫様抱っこするなど、仲良しなINIのわちゃわちゃっぷりが全開に!
武道館限定といえば、8日の昼・夜公演だけの企画として、「友だちになる方法」のVCRで子どもに扮した木村柾哉のセリフ「お互いの気持ち、確かめ合おう?」を真似して競おうというミニコーナーも。促された木村柾哉が渋々見本を見せると、指名された池﨑理人は変顔で笑いを取り、藤牧京介から「最下位です」とバッサリ。その藤牧本人も過剰な真似で笑いに走り、西洸人は「期待してたのとちょっと違った(笑)」、木村柾哉は「そう見えてるんだ?」と一言。最後に“キラキラアイドル”担当の尾崎匠海が完璧にかわいく再現して見せると、メンバーから「すごい、さすが!」「優勝!」と絶賛の声が上がった。
後藤威尊の「次の曲はMINIのみんなのための曲です。自分たちの応援って届いてるかなって心配になるときもあると思うんですけど、MINIは一人ひとりINIにとって大切なパートナーです。いつも僕たちを照らしてくれてありがとう!」というコメントから「Brighter」、そして清涼感あふれる「STRIDE」へ。許豊凡が英語ナレーションを務めるスタイリッシュなVCRを挟み、3つのユニットに分かれたステージを披露。木村柾哉、後藤威尊、松田迅が「DANCE #1」をバックに鮮烈なダンスを見せ、池﨑理人、田島将吾、西洸人は自作ラップ曲「How are you」で会場を一つに。ボーカルユニットの尾崎匠海、佐野雄大、許豊凡、髙塚大夢、藤牧京介が「Mirror」を情感たっぷりに歌い上げた。
追加公演のみの特別なステージとなったのは、田島将吾が作詞に参加した「Runaway」。11人の美しく優しい歌声とともに、曲の直前に池﨑理人が語った言葉に胸を打たれる。「普段、生活していてうまくいかないことや、つらいこともいっぱいあると思うんですけど、そういうときに立ち向かうことも大切だけど、逃げるという選択肢も間違いじゃないと思っていて。心を大事にしてほしいし、物事って心が健康なうえで立ち向かえる。僕たちがMINIの皆さんの逃げてこられるような場所、癒しの場所になれるよう願っています」。曲中、バックのモニターには事前にMINIから募集したINIに愛を伝える11文字が流れ、「私の世界を変えてくれた」「ずっと皆で幸せでいてね」「生きる希望をありがとう」といった愛あふれるメッセージが。歌唱の合間に何度も振り返り、その言葉を見つめるメンバーの姿が印象的で、曲の終わりにはINIからのメッセージ「疲れたら休んでもいいさ」が大きく映し出された。
メンバーが緊迫した状況の中でミッションに挑んでいくスパイ映画さながらのVCRが流れ、雰囲気が一変。「Password」「CALL 119」「Shooting Star」と激しいダンスナンバーを休む間もなく披露し、鬼気迫るパフォーマンスで観客を魅了した。その後のMCでは田島将吾が「Runaway」を振り返り「皆さんが送ってくれた文字、本当に感動しました」と感謝の気持ちを述べ、「MINIへお返しの11文字を」と振られた佐野雄大は「こころからだいすきだよ」ときれいにまとめて会場から拍手が贈られた。
松田迅が「後半戦ということで、心を一つにしたいなと思いまして」と切り出し、ツアー恒例のウェーブタイム! ウェーブの到着地点側にいるメンバーが何かをして締めるというのがお約束になっているが、上手側の松田迅が全力の変顔をしてみせてみんな爆笑。さらに逆方向でもう一度ウェーブをすると、今度は後藤威尊が「Shooting Star」の見せ場「伸るか反るか」をアレンジして、「伸らない♪ 反らない♪」とゆる~くダンス。横にいた藤牧京介や許豊凡が止めに入るかと思いきや、伝染したかのように“伸らない反らないダンス”を踊り出し、しまいには全員が下手側に集まり大盛り上がり! 「誰か止めろ~!」という声が上がると、池﨑理人がアニメ「サザエさん」のエンディングのようにメンバーたちを率いて定位置に戻していき、会場はさらなる爆笑の渦に包まれた。
見事な団体芸のあとに披露したのは、パフォーマンスビデオの再生回数が1500万回を突破した「Dramatic」。斬新な曲構成にパワフルかつキレのあるダンスパフォーマンスがピタッとハマり、先ほどの微笑ましい姿とのギャップに思わず息を呑む。「BAD BOYZ」へと続き、本編ラストは1stアルバム『Awakening』のタイトル曲「SPECTRA」。曲中の「Pop pop!」に合わせてペンライトや拳が突き上がり、熱気を帯びたまま本編は終了した。
アンコールは、彼らの原点ともいえる「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」のテーマソング「Let Me Fly~その未来へ~(INI Ver.)」。最後は木村柾哉が、ほかのメンバーのオーディション当時のエンディングの表情を公演ごとにピックアップして真似するのがお決まりとなっていたが、オーラスに選んだのは自分自身。満面の笑みで当時の表情を再現して締めくくった。
最後の挨拶では、まず後藤威尊が「やっぱりMINIのみんなの前でパフォーマンスをしている時間が本当に楽しくて幸せ。(一方で)好きなことをして生きるって当たり前じゃないんだなと改めて感じました。つらいこともあると思うんですけど、よく家族を大切にしてくださいとか友人を大切にしてくださいとか言うけど、みんな自分を大切にしてください。俺たちINIにとってはMINI一人ひとりがみんな大切なMINI。INIもMINIもみんなが健康で幸せでいるのが僕の今年の目標です」とコメント。
佐野雄大は「レミフラ(Let Me Fly~その未来へ~)を初めて踊ってから2年くらい経ちましたけど、時間が過ぎるのがめちゃくちゃ早かったし、MINIの皆さんのことも大好きだなって思ったし、何よりもほんまにメンバーが最高……」と泣き出しそうになるも、両隣の後藤威尊と池﨑理人の手をギュッと握って持ちこたえ「ほんまにめちゃくちゃいいやつすぎて、俺ら毎日めちゃくちゃ幸せで。皆さんしんどいこともつらいことも絶対あると思いますけど、お互い支え合って、たくましく楽しく人生歩んでいきましょう!」と最後はエンジェルスマイル。
池﨑理人は「うちわや紙とかに『完走おめでとう』とか『誰々君のおかげで』とかいろいろ書いてくれてるけど、全部逆なんですよ。こちらこそ、いつも応援してくれて、僕たちを支えてくれて、僕たちのことをずっと見てくれて本当にうれしい。MINIの皆さんのおかげでこうやってツアーを最後までやることができて、本当に本当に楽しかったです」とMINIへの感謝を伝えた。
尾崎匠海も「完走できたのも、何より本当に裏で支えてくれてる人たちだったり、一番は来てくださっている皆さんのおかげです」と切り出し、「自分は支えになれるようなアーティストを目指しているってずっと言っているんですけど、たまにちょっとだけ『皆さんの支えになれているのかな?』って不安になっちゃうときがあるんですけど……」と少し涙声に。「ライブですごく幸せそうな笑顔を皆さんが向けてくれて、そういうのを見ると『ちゃんと支えになっているのかな』って思うのですごくうれしいです。この気持ちがブレることなく、ずっとずっと夢に向かって突き進んでいきますので、僕たちについてきてくれるとうれしいです」と締めた。
話し出す前から涙目になっていた松田迅は、「この歴史ある舞台に立たせてくれて本当にありがとうございます。そして今日まで支えてくれたお父さんとお母さん……自慢の息子やろ~!?」と泣きながらMINIと両親へメッセージ。
藤牧京介は「自分は中学のときに好きなアーティストさんのライブに行ってステージを生で見て、こういう職業に憧れて、ずっと夢を追い続けて」と振り返り、「一度は諦めてしまったんですけど、でもこうして自分たちの初めてのツアーをやらせていただいて、たくさんのMINIのみんなに会って、もう一度夢にチャレンジしてよかったなと心から思いました。自分がめちゃくちゃ支えられているぶん、本気でみんなを支えられるようにこれからも頑張るので、一緒に歩んで行ってください」と語りかけた。
田島将吾は「このツアーを通してまた皆さんとの距離が縮まったんじゃないかなと思います。こういった機会をこれからもっともっと増やしていきたいですし、さっき京ちゃん(藤牧京介)と話していたのが『1年かけてツアーずっとやりたいね』って。叶うかわからないけど、それくらい頻繁に皆さんに会いたいなっていつも思っています。またすぐ会いましょう」と再会を約束し、カメラに向かって手でハートマーク。
木村柾哉は時おり涙目になりながら、「本当にありがとうの一言です。冬で寒いし大変な情勢の中、こうやって重い荷物を持ってきてくれて、命かけてここまで来てくれているっていうのが本当に伝わります。INIは老若男女を問わず愛されるようなグループになると信じて、僕もこうしてまたMINIのみんなに会える日を楽しみに毎日頑張ります」と述べた。
髙塚大夢は「今こうして武道館という会場で皆さんに会えているのが本当に信じられなくて、“大夢”だけに大きな夢を見ているように感じます。オーディションに応募したとき、自分がこんなになるなんてまったく想像していなくて、ひねくれ者だったのもあって審査が通るたびに辞退しようかなってずっと思ってたんです。でもあのときに決心して、この道に決めてよかったなって、ここからの景色を見て改めて思います。今日が終わってまた明日からINIというグループが次のフェーズに行くと思うんですけど、時間が経っても皆さんにまた会えるようなグループになっていきたいなと思います」と話した。
西洸人は「みんな覚悟してINIやってます。俺も今までの環境や仲間にお別れしなきゃいけないのかなと思って、勝手に『失っちゃった』って。でもそれはただの思い込みで、(仲間は)今でも応援してくてれているし、俺にはいろんな人たちがいるって思って。MINIの皆さんだったり、スタッフの皆さんだったり。俺らグローバルボーイズグループって言ってるけど、まだまだこれからだと思ってるし、それくらい本気で俺は世界に行きたいです。でも正直、INIのメンバー11人だけじゃ無理です。ツアーを通して思ったのは、支えてくださっている人がいっぱいいるということ。そのチームでもっともっと上に行きたいし、その中にはMINIの皆さんもいます。だから俺らチームだぜ、マジで。INIチームです、皆さん。マジでみんなで行こう!」と、涙を見せながら熱く躍進を誓った。
最後の許豊凡は「数年前に知り合いゼロ、家族ゼロの状態で日本に来て。今日、武道館っていう素敵な舞台に立つまでの過程で本当にいろんな人に支えられてきて。学生時代は先生や友達、今は大切なメンバーたち、スタッフの皆さんたち、そして大切なMINIの皆さんたち。本当にもらってばっかりで……。ぶっちゃけ、異国とは思わないようにしてるんですけど、やっぱりどうしても孤独を感じちゃうときもあって。そんな弱かった自分を強くしたのはここにいる皆さん。本当に皆さん一人ひとりに直接感謝の気持ちを伝えたいんですけど、なかなかそれができなくて、だから少しでも自分たちのパフォーマンスで笑顔になってくれたら。MINIの皆さんをもっともっと大きなステージに連れていきたいし、もっと一緒に大きな夢を叶えていきたいです」と語った。
観客席をバックにみんなで記念撮影をしたあと、「最後の最後まで僕たちと駆け抜けてくれて本当にありがとうございました!」とメンバー全員で礼をすると、割れんばかりの拍手が沸き起こり、後藤威尊が「次はもっとたくさんのMINIにお会いできるように僕たちも頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします」と挨拶した。
アンコールラストの「We Are」は特別にスマホでの撮影がOK。西洸人はサビ前にとびきりの笑顔で「MINIの皆さん、愛してます!」と叫び、メンバーみんなが最後まで「ありがとう~!」とMINIへの感謝を口にしながら手を振り続け、約1カ月間のアリーナツアーは大団円で幕を閉じた。
2022 INI 1ST ARENA LIVE TOUR [BREAK THE CODE]
【セットリスト】
1.Rocketeer
2.Cardio
3.BOMBARDA
4.RUNWAY(INI Ver.)
5.ONE(INI Ver.)
6.Do What You Like
7.KILLING PART
8.AMAZE ME
9.Brighter
10.STRIDE
11.DANCE #1 (木村・後藤・松田)
12.How are you (池﨑・田島・西)
13.Mirror(尾崎・佐野・許・髙塚・藤牧)
14.Runaway
15.Password
16.CALL 119
17.Shooting Star
18.Dramatic
19.BAD BOYZ
20.SPECTRA
EC1/21
♪ Let Me Fly ~その未来へ
EC2/M22.
♪ We Are
【INFORMATION】
NOW ON SALE!
1stアルバム『Awakening』
【PROFILE】
INI(アイエヌアイ)
2021年、社会現象を起こした日本最大級のオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」で新たに “国民プロデューサー”によって選ばれた11人組グローバルボーイズグループ「INI(アイエヌアイ)」。デビューシングル「A」はハーフミリオンを突破し、デビューシングルの初週売上記録で歴代5位を記録。2021年、世界最大級のK-POP音楽授賞式『2021MAMA (Mnet ASIAN MUSIC AWARDS)』にて「Favorite Asian Artist」を、『第63回輝く!日本レコード大賞』新人賞を受賞。2ND SINGLE「I」はオリコン史上初となるデビューシングルから2作連続初週売上50万枚超えを達成。日本レコード協会でトリプルプラチナ認定を受けた。3RD SINGLE「M」は初週73.7万枚を売り上げ、デビューシングルから3作連続初週売上50万枚を達成。8月にはINI初の有観客海外パフォーマンスとなる『KCON 2022 LA』に出演。さらには、今年12月に全国4都市を巡る初のアリーナツアーも決定し、今最も勢いのあるグローバルボーイズグループ。