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2020/3/7 CULTURE

赤澤える|人気ブランド「レベッカブティック」が一着一着に込めた願いとは?

S Cawaii! 編集部

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赤澤える

Photograph_Takeyoshi Maruyama Text_Anco Oshita Composition_Akira Okamura



「いつか好きなことを仕事にしたい!」。でも、その“いつか”はいつになるか想像できてる? そこで今回は、今好きを叶えている人たちに、どうやって最初の一歩を踏み出したかを教えてもらいました! さあ、まずはそれぞれのスタートラインから飛び出そう♪

赤い戦闘服をまとったブランドディレクター
赤澤えるさん


ラフォーレ原宿の中にあるアパレルショップ「LEBECCA boutique(レベッカブティック)」のディレクターである赤澤さん。肩のラインで切りそろえたボブヘア、コスチュームのように必ずまとっている赤いワンピースが彼女の特徴。「有名でもなんでもない私がブランドを持てたんだから、みなさんの夢も絶対叶います」とほほえむ彼女に、ブランドを持った経緯や、ブランドにかける思いについて聞きました。

疑問や違和感の中から自分の夢を見つけました

「変なの」「なんで?」という違和感からファッション業界へ
生粋の洋服好きというわけではなくて、アパレル業界に対する違和感から、強く興味を持ちました。有名なモデルさんが着てるから売れるとか、作りすぎた服は大量廃棄されるとか、そういうのがすごく疑問だったんです。

ひとつひとつ特徴や風合いの違う古着は好きだけど、ファストファッションは苦手で、今の会社の社長にも最初はすごく失礼なことを言いました。出会ったばかりのころファストファッションをどう思うか聞かれて、「私は嫌いです」って会社内のブランド名を出して傷つけてしまうような発言をしました。言いすぎたと思ってあとから素直に謝ったら、「今後も生の意見を聞かせてくれるなら仲よくしよう」って言ってくださったんです。

それからしばらくして、たまたま私がカメラを首から下げてるとき、社長に「撮影できるの?」と聞かれて、したことないのにできますってハッタリで言っちゃって。じゃあうちで撮ってよって言われて、内心ドキドキ。そこから猛勉強したり、友だちに協力してもらったりして撮影に臨みました。その後しばらくカメラマンとして関わったのち、「ブランドをやらないか」って声をかけてもらいました。

何度か正社員のお話もいただきましたが、定時出社よりも自分に合うスタイルを求めて、今もフリーランスとして仕事をしています。ご縁があってそれに反応できるタイミングだったので、私はすごくラッキーでした。でも、「準備できてる人のもとにしかチャンスはいかないよ」と社長に言ってもらったので、私も今はそれを信じています。


送り出すときは「大事にされてね」という祈りを込めて
レベッカブティックのディレクターとしていちばん多いお仕事は、文章を書くことです。レベッカのお洋服には、「私たちのワンピース」とか「目を合わせるべきワンピース」とか一着一着に名前がついていて、そのすべてに物語があるんです。かわいい!という衝撃も大事だと思うんですけど、それだけじゃ大事にし続けられないとも思っているので、半分祈りのようなものです。

「“こんな背景を持ったお洋服を手に入れてうれしい”って思ってもらって、大事にされてきてね」っていう、送り出すときに必ずかける願い。そういう意味でいうと、私が祈りを込めるのはお洋服に限らなくてもいいのかもしれません。本でもお花でも食べ物でも、大事にされてほしいという思いは同じですよね。仮に今レベッカがなくなっても、悲しいけど次は何をしようかなってドキドキもできる。夢はどんどん変わっていいものだし、いつでも何にでも、誰もがなれると思います。



初めてのアメリカ買いつけで見た光景。無造作に積まれたお洋服を見て泣きくずれました。服作りをやめようとも思ったけど、私のような違和感を持つ人間が作ることに意味があると思って続けています。

える’s Q&A


Q.好きを叶えるための第一歩の踏み出し方は?
「自分の心の声を信じること。世の中の人って意外と自分のことを見てないし、嘲笑してくる人って気づけばいなくなってるんです。それよりも自分の持つ違和感や疑問、選択を大事にして」

Q.ブランドのコンセプトを教えて!
「すべてのお洋服に“少女感”を込めています。見た目ではなく、ドキドキワクワクする内面の部分に私たちは少女感を置いているので、えりや丈感などのあちこちにちりばめたどこかにそれを感じてくれたらうれしいです」

PROFILE
あかざわえる。古着に着想を得たオリジナルアイテムのお店「LEBECCA boutique」のディレクター。魔法のような美しくてやさしい言葉選びにファンも多い。



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