THE BOYZが「THE BOYZ FAN CON 2024: ZENERATION ENCORE IN JAPAN」を開催した。これは昨年5月から7月にかけて6都市8公演を巡ったジャパンツアー「THE BOYZ 2ND JAPAN TOUR : ZENERATION」のアンコール公演で、THE BOYZにとっては日本で2度目のファンコンサートとなる。大いに盛り上がったジャパンツアーから半年ぶりのファンコンとあって、メンバーもファンも気合十分。ツアーから変わったセットリストや、今回日本でのみ特別に追加されたスペシャル企画もあり、パフォーマンスでもトークでも会場を魅了した。2月3日、4日にぴあアリーナMMで開催された公演の初日の模様をレポートします!
スクリーンが真っ赤に染まり、大きなZの文字が浮かび上がる。壮大なサウンドが鳴り響き次々に火花が上がる中、ステージにTHE BOYZが登場。『Ego』のイントロが流れると、会場からは期待ではちきれんばかりの歓声がわきあがる。続けざまに『REVEAL』がスタートすると、THE BOYZが得意とするスケールの大きなパフォーマンスで場内を圧倒。赤くて熱い2曲から一転して『Awake』では凍りついた背景と青い照明で凍りそうなほど寒さを演出し、幅の広さを見せつける。『Make Some Noise!』のシャウトで始まった『ROAR』ではカル群舞の究極の到達点、全員がまるでひとつの生き物のように動く圧巻のパフォーマンスが印象的。最後にはTHE B(THE BOYZのファンの名称)の大きなコールが会場中に響き、スタートから全4曲をノンストップで駆け抜けた。
VCRを挟んでの『KeePer』そして『ake or Break』ファンにはうれしい撮影可能曲。しかもトロッコに乗って会場をぐるりと周りながら、会場の一人ひとりと目を合わせ、手を振ってファンの歓声に応えてくれる。ファンとの距離の近さはファンコンならでは。弾けるメロディとリズムがさわやかな『Only ONE』は笑顔をたくさん見せてくれた。
自己紹介ではソヌが「カメラどこ?」と言って探したものの見つけられず最後までとぼけた方向を向いたままだったり、会場の歓声に「声が小さい、帰りたい」と拗ねたり、ソヌ節が炸裂。「僕はTHE Bのワンちゃん!」と愛嬌たっぷりのヨンフン、「みんな俺に会いたかった? (両手を広げて)俺も会いたかった」と甘いセリフが似合うジュヨン、「幸せな時間を一緒に送りましょう」と言ってダブルピースで締めたQに続いて、アツいパフォーマンスのせいか「汗が止まらない、助けてください」とニコニコ困り顔のジェイコブ、そしてTHE Bの歓声を一番引き出したNEWまで、THE BOYZらしいユニークな自己紹介が続いた。
今回のファンコンは「THE BOYZ 2ND JAPAN TOUR : ZENERATION」のアンコール公演とはいえ「今日初めて観るステージもたくさんあると思いますよ」とエリックが期待を煽る。そして「前回のツアーと今回のステージとどっちがかっこよかった?」と会場のTHE Bに尋ねるものの、「THE Bのみなさんは僕たちの顔を見るのに忙しいからわからないと思いますよ」と言われてエリックも会場のTHE Bも思わず納得。エリックはヒョンジェとヨンフンとラーメンを食べに言ったそうで、エリックが7辛を食べたと言うと、「僕は10辛でも平気だ」とヨンフン。でも実際に食べたのは3辛だそうで、「しかも4辛にしようとして直前に3辛に変えたんですよ!」とエリックが暴露していた。ヨンフンは「初めてだからすごく辛いと思って。10辛にしたら怖いからまずは3辛にしたんだけど、隣の人が10辛を食べていて、それを食べてみたらそんなに辛くなかった」と言い訳していたが、それを聞いたメンバーは「その隣の人って知り合いなんだよね?」と心配していた。
ファンコンらしいトークコーナーでは司会に鮎貝健さんを招き、「THE BOYZ JAPAN TOUR ビハインド座談会」と題して昨年のツアーを振り返った。当時の思い出で印象的なのは、「いろんな場所に行ったので、そこで一番有名な料理を食べて、それがすごく記憶に残っています」とソヌ。ちなみに一番おいしかったのは「Shin Shinラーメン!」(エリック)と即答! 最初のお題「Deliciousのメリーゴーランドダンス、本人たちはすごく楽しそう…」では、ツアーのために練習した時の映像を初公開。メリーゴーランドダンスは、一人のメンバーが軸となり、両手にメンバーを抱えてクルクルまわるというもの。誰かチャレンジしてみたい人は?ということでエリックとケビン、サンヨンが手を挙げるが、「でも僕はQとNEWの役割がやりたいんですけど」とサンヨンが言うとメンバーが口々に「兄さんは強いから(真ん中)」、「サンヨン兄さんに回してもらいたい!」と大反対。結局、エリックは「ソヌちゃんと僕がTHE BOYZの末っ子だから、僕たちは端っこにします」と言い張り、ケビンは「僕も乗りたかったのに…」と言いながらも真ん中でメンバーを回す役に。「無理そうだよ」というヨンフンの心配をよそに、メリーゴーランドは予想外によく回り、みんなから「オリジナルよりよく回ってる!」と褒められていた。
「朝、道で一人Deliciousを踊ってみた…」というお題に心当たりがあったエリックは、「なぜなら僕が撮ったから」と告白。続いて公開された秘蔵映像は、ホテルの上階から遠くに見える道でDelicious」を踊るソヌを捉えていたが、豆粒ほどの小ささでかろうじて踊っていることが見えるくらい。この映像の撮影者であるエリックいわく、「僕がホテルの部屋から撮りました。朝の5時までソヌと2人で話してて、ソヌがお腹が減ったと買い物に出たんですけど、ソヌと目が合ったんですよ。それで、ソヌさんが『Delicious』を踊るから撮ってと言って撮ったんですけど、通りすがる人たちが変な人を見るように通っていきました」だそうで、その話を聞いている最中、ソヌは苦虫を噛みつぶしたような表情に。そして「後悔しています」とポツリ。「もっと上手く撮ってくれると思ったのに、全然撮れてない」と、撮影者への不満をこぼしていた。
続いてのお題は、「わざとじゃない!! カメラがないところでもケーキを落としちゃうドボイズ」。誕生日コンテンツでケーキを落としていたTHE BOYZだが、今回は新潟でジェイコブの誕生日を祝う映像が公開された。ケビンが「ヒョンジェ兄さんと僕と会社の人とで、事前にケーキを買っていこうということになり、高いものを準備して長距離を移動したんですけど、写真で見ていただくとわかります」といって公開された写真には、床に真っ逆さまに落下したケーキが……。「落として本当に悲しかったです。高いケーキだったから、座って(ケーキの無事な部分を)食べました」とその後の顛末を語った。
「スパイダーマンのアトラクションが終わる前に…」というお題ではユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったメンバーたちの写真が公開された。「みなさんテンション高くないですよね」という鮎貝さんの言葉にみんな思わず笑っていたが、「なぜなら僕たちは大人だから」と末っ子のエリックがニッコリ。後ろに写るヨンフンについてみんなから「怒られたの?」「なんかルイージみたい」と散々な言われようだったが、「あれがかっこいいんだよ」と不満げ。続く「遊び足りなくてお兄さんたちにゲーセン行こう!って誘うエネルギー末っ子エリック」では、ゲーセンで踊ったり、バスケをしたり、エアホッケーをしたりする映像が公開された。最後にはプリクラの写真も公開。「これ、再現してみたい!」というエリックの言葉でステージの上で4人が集まり、プリクラの撮影を再現してみたところ、全員プリクラと同じ画角でダブルピース。エリックいわく「ゲーセンに行こうと言ったのは僕だけど、プリクラを撮ろうと言ったのはジュヨンさんです」と明かすと、ジュヨンは「実は僕、プリクラ大好きです」と再びダブルピースをキメた。
ファンコンのスペシャル企画「Valentine Special with THE BOYZ」と題したコーナーは事前にTHE Bから募集したメッセージをメンバーに言ってもらうというもの。なおエリックは毎年バレンタインになるとTHE Bに告白してると明かしたが、「毎年チョコレートの写真を撮ってアップしてるんですけど、今まで6年連続フラレています」と苦笑していた。トップバッターに選ばれたNEWは「揺れながらちょっと拗ねる(指ツンツン)」というシチュエーションがぴったりすぎてソヌがヒョンジェの手のひらに拳を叩き込んでいたほど。ミュージカル『愛の不時着』への出演が決定しているサンヨンは「僕の心に不時着する?」というセリフで会場をとろけさせ、エリックは「サンヨン兄さんは本当に日本語の勉強をがんばったんですよ! 応援してください」とアピールしていた。ヨンフンは「パンダムパンダム〜」と言いながら頭を撫でてよしよしする仕草をしていたが、これは韓国語の「スダムスダム(なでなで)」にヨンフンのあだ名をプラスしたオリジナルの造語で、いつもヨンフンがSNSで使っているワードを上手に活かしたセリフだった。ケビンは「王子様のような仕草で」英語を交えたセリフを言うことに。ステージの端まで移動しての熱演だった。ソヌからは「英語の時はかっこよかったけど、すぐかわいくなっちゃった」と言われていたが、日本語も流暢だった。最後のヒョンジェは「ヒョンジェと居酒屋でお酒ゲームをしている時に、私が負けたのにヒョンジェが代わりに飲んでくれるシチュエーション」という具体的すぎる演技。お酒の代わりにステージドリンクの水を飲みながらセリフを言うと、ソヌがすかさず「この水、売ります!」と言って、「ここで商売しちゃダメだよ」とたしなめられていた。翌日には残り5人のメンバーの告白が公開されたそうだが、ファンクラブではメンバーが考えた告白セリフ映像がアップされるそう。
「次のステージに行く前に、告白したいことがある」というジュヨン。「好きな人ができたんだ。その人はすごくかわいくて、きれいで、やさしくて……。今日、告白しようと思っています」というジュヨンに、メンバーも口々に「僕も!」「僕も!」と便乗。そんな中、「お互い好きな人を言おうぜ」とソヌがなだめ、メンバー全員が「THE B!」と叫ぶと、再びライブパートへ。「何見てるんだよ」「THE Bは俺のものだ」というキューとソヌの言い争いから始まった『Fantasize』は日本初歌唱。途中からメンバーが花束を持ってステージを降りて会場のTHE Bに渡したり、最後にはひざまずいて指輪が入った箱をオープンするプロポーズまであり、会場は大いに盛り上がった。続く『LIP GLOSS』でもポップでさわやかなメロディに合わせてメンバーのキュートな魅力が存分に発揮されていた。ユニット曲『Passion Fruit』まで、清涼感あふれる曲が続く。
VCRではふわふわの白いベッドに寝そべるメンバーの姿が映し出され、そんな映像の続きのようにステージには真っ白な衣装のメンバーたちが寝そべりながら登場。『Lucid Dream』、『Day Dream』、『Butterfly(夢の中)』、『Wings(胡蝶夢)』と夢に関する曲が続く。最後にはTHE Bも一緒になって大合唱し、夢見心地なパートとなった。しかしそんな空気は続くVCRで一変。夢から覚めたメンバーの白いパジャマは真っ赤な血で染まり、なにかに恐怖するメンバーが映し出される。そうして始まった「Nightmares(黒花)」は、白い衣装に真っ赤で染まったステージがよく映える、芸術的な“悪夢”。人間で作られた椅子に座り、そこから落ちるヒョンジェなど、パフォーマンスというよりアートのような振り付けが多く、最後にはマリオネットの糸が切れたかのように後ろ向きに倒れ、動かなくなるメンバーの姿で夢のパートはエンディングを迎えたのだった。
VCRを挟み、スクリーンには「WARNING」の文字が。会場中にアラートが鳴り響き、途切れ途切れになった防犯カメラの映像、さらに次々と火花が上がり、否応なしに盛り上がる中、今回のファンコンでTHE Bがもっとも期待していた「WACTH IT」がスタート。直前のVCRにつながる世界線を表現した赤と黒の衣装はロックでアグレッシブ。ジェイコブの3段高音もきれいにキマり、THE BOYZのかっこよさを存分に発揮。その勢いのままに続く『Breaking Dawn』ではこの日のために準備したダンスブレイクが追加され、最後まで気の抜けないパフォーマンスを最後までやりきり、THE Bもそんなメンバーたちの気迫に負けないコールを大きく叫ぶ。ソヌとエリックのマンネラインによる『Honey』では一転してはつらつとした健全でセクシーなステージを披露。2人に続いて登場したのはサンヨン、NEW、ジェイコブ、ケビンのボーカルライン。半透明な膜を挟んで歌われた『Rat int the trap』はいつになく艶っぽく、ケビンが銃を撃つシーンから始まる『Russian Roulette』までドキドキする色気を感じさせた。そして仕上げの『MAVERICK』が始まると、今日一番の歓声が。畳み掛けるようなラップと、魂のこもったパフォーマンスは、まさにTHE BOYZの真骨頂。激しいパフォーマンスにも関わらず最後は息切れを抑えきって、プロのステージを見せつけた。
THE Bへの想いを告白するVCRのあとには『Dear.』。VCRではメッセージで伝えていた想いを今度は歌で表現、と思いきや、自分のポジションを間違えたヨンフンが歌が始まったあとにコソコソ移動するアクシデントに思わず笑いを漏らすTHE Bたち。曲が終わって「胸が切ない感じになるね」とサンヨン。この日のコンサートを振り返り、『Fantasize』について「告白したんですが、受け取ってくれますか?」とジュヨンが言うと、ヒョンジェは「今日が1日記念日? 嫌だったらいいけど」とツンデレを発揮。そんな中、客席で涙を流すTHE Bを見つけたソヌは「泣かないで」と慰め、「みなさん、かわいいですね」と声をかけた。そろそろ公演も終わりに差し掛かり、「だからみなさん、最後までできるかぎりたくさん目を合わせましょう」とエリックが言うと、会場からは大きな返事が返ってきた。そんな言葉どおり、本編最後の『ALWAYS TOGETHER』はTHE BOYZとTHE Bはいつも一緒だよというメッセージが込められたファンソング。センターステージを自由に動きながらできるだけ多くのTHE Bとコミュニケーションを取ろうとしていた姿が印象的。最後は笑顔でステージを下がっていった。
アンコールでは再びトロッコに乗り込み、会場の後方まで挨拶。『Fire Eyes』ではメンバー全員がステージを降りてTHE Bの近くに駆け寄り、エリックは自分の名前が書かれたボードにキスを贈っていた。興奮が覚めやらないTHE Bは何度も「もう1回!」とアンコールを求め、盛り上がりは最高潮に。メンバーはTHE Bの声に何度でも応え続け、最後にはエリックがステージ下に水を振りまきはじめ、コンサートの熱を発散していた。遠いスタンド席のファンに向けて、「次の機会には僕たちが飛んでそっちまで行きます」とソヌ。その言葉を受けてエリックは「僕はテンションが上がると水を撒くのが好きなんですけど、残念ながらまだ4階までは届かないんです。次は水鉄砲を用意してピヨピヨ撃ちますね」とみんなを笑わせていた。
さらにこの日はメンバー全員がTHE Bのために手紙を用意。一人ひとり心を込めた手紙を読み上げて、最後には『Closer』の日本語バージョンで締めくくった。メンバー全員が手をつなぎ、深々とお辞儀してステージを去っていたあと、スクリーンにはメンバーからの日本語の手書きメッセージが映し出された。その中にはこの日、残念ながらコンサートに参加できなかったチュハンニョンからのメッセージも。「つぎはかならずあえるよ。いやかならずあおうね」という力強い言葉と、「今年は日本にたくさん来ることになるはず」というメンバーの言葉に、THE BOYZの2024年の活動への期待が膨らむコンサートだった。
Text_Yunico Woo